四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『ガム持ち込み禁止!』

2022.11.09

早稲田アカデミーの各校舎では、お菓子類の持ち込みは塾生規則で「禁止」となっています。「見つけた場合には没収の上、保護者に連絡」という記載がありますが、カバンの中をチェックするようなことをしているわけではありません。ただ、教室内では「お菓子は食べないように」とご家庭でもご指導ください。


さて、「チューインガム」の国内への持ち込みが、法律で禁止されている国があるのをご存じでしょうか。もちろん持ち込みだけではなく、国内での製造や販売も禁止となっていて、その国には「チューインガム」そのものが存在していません。万が一、国外からの持ち込みが発覚した場合、最大で日本円にして100万円程度の罰金刑となる可能性があるそうです。「きれいな街並みを守るために」という目的で、この法律があるといえばどこの国かわかるでしょう。シンガポールです。シンガポールに向かう航空機の中では、その点について注意のアナウンスも流されます。シンガポールの国民が街の美観を本当に大切にしていることがわかるエピソードだと思います。


近年話題になっている「協働力」の根底にあるのは、「他者理解」です。さらにこれからの国際化社会においては「他文化理解」も必要になってくるはずです。中学入試国語の文章読解でも、小説の翻訳文が出題されたり、比較文化論が出題されたりすることがあります。その背景には、「自分とは違う地域や文化の中で育った主人公の理解」ができるかといった意図があるように感じています。特に「国際」に力を入れている学校での出題が多いようです。


「他文化理解」の話を生徒にするために、以前、いろいろな国の特徴的な法律を調べたことがあります。昨日のことですが、武蔵小杉校のそばのショッピングモールに、(早々と)クリスマスの飾りが吊るされていました。それを見て、こんな話を思い出しました。


アメリカでは州ごとに法律が定められています。メリーランド州には「トナカイの州内への搬入を禁止する法律」があります。この話を学校で聞いたリッキーくん(10歳)は不安になり、悲しくなったそうです。そこで家で州議員をやっていたパパに相談したそうです。「トナカイが来られないのならば、僕たちの町にはサンタクロースは来ないの?」という言葉を聞いたパパは、他の議員や州知事にも話を持ちかけ、結果として州知事は次のような宣言を出したとのことです。


「良い子にプレゼントを配る目的に限り、赤い鼻のトナカイが24日深夜、メリーランド州上空を飛行することを認めます」


アメリカ人のユーモアや、クリスマスというイベントに対する想い、さらには「子どもの夢」を大切にする国民性を感じる話だと思いました。まったく話は変わりますが、「場合の数」で必ず出てくるタイプの問題に以下のようなものがあります。


「100円玉、50円玉、10円玉、5円玉がそれぞれたくさんあります。これらの硬貨を使って250円支払うときに、支払う方法は何通りありますか」


実はこの問題の正解は、厳密にいうと日本の法律に抵触してしまうのです。250円のすべてを5円玉で支払おうとすると50枚必要になりますが、日本には「同一貨幣の使用は20枚まで」という法律が存在しているのです。入試問題では、社会的なルールや法律に反するような考え方の出題はされないのが一般的です。以前、算数の出題で「一定の速度で下方向に向かって動いているエスカレーターの上を歩いて下りる人と、進行方向とは逆方向に走って駆け上る人のすれ違い」という出題が問題になったという話を聞いたことがあります。エスカレーターを「逆走する」というのは、明らかにルール違反ですし危険な行為ですから、算数的な考え方を問うための問題設定であっても、やはり好ましくないと私は思います。


とすると、硬貨の問題は、次のようにひと手間加えるといいかもしれませんし、少し難度も上がるので面白いかもしれないと思いました。


「100円玉、50円玉、10円玉、5円玉がそれぞれたくさんあります。これらの硬貨を使って250円支払うときに、支払う方法は何通りありますか。ただし、日本には同一貨幣の使用は20枚までという法律があるので、法律違反にならない支払い方は何通りかを答えなさい」

同じテーマの最新記事

2022.11.09 『ガム持ち込み禁止!』
2022.11.02 『才能は伸ばすものではなく、可能性は広げるのではなく……』
2022.10.28 『一つひとつの言葉を大切に読み取る ~「詩」の学習~』
2022.10.26 『ニンジンが嫌いな子に』
2022.10.21 『10月24日は、何の日?』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー