『考えるチカラにつながる雑談力』
2022.04.06
最近の中学入試では、机上の学習における知識を問う問題だけではなく、お子様の生活に比較的近い位置にある「身近なもの」について問われることがあります。SDGsに関連させて、「フードロス」に関する問題や、「給食の必要性」について考えさせる問題などが出題されていました。また、「コンビニエンスストアで飲料ケースが置いてある場所と、なぜその場所にあるのか」といった問題を出題した学校もあります。
身近なものに対して興味を持って観察したり、「なぜ」と考えたりという習慣は問題発見能力へとつながります。与えられた問題を解決する力よりも、どこに問題があるかということを見つけられる力は、これからの将来においてとても大切な力となってくるはずです。「思考力重視」の方向へ大きく舵がきられている大学入試もそういった考えに基づいたものなのです。
身近なものに関心を持つためには、自分の興味関心の対象だけでなく、いろいろなものに触れながら生活をしていくことが大切です。お子様の興味関心の幅を広げるためには、周りの大人の接し方も大切になってきます。親子の会話もその大きな一助となることはご理解いただけると思います。
例えば、毎日の夕食時に今日あったことに関して、親子で会話をする習慣のあるご家庭があったとします。きっとお子様は何を話そうかと、学校や塾で考えながらお過ごしになるのではないでしょうか。もしくは何かに気がついたときに、これをお母さんに話そうと思っていろいろと考えるのではないでしょうか。そういった毎日が「考える力」を鍛えることにつながるわけです。
「親子の会話」というと、「うちは会話の時間はかなりとっているんだけど……」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、その会話の内容はいかがでしょうか。お子様が自発的にお話しになるような状態になっていますでしょうか。もちろん、親が一方的に話をしていることはないとは思いますが、むりやり聞き出すような形になってはいませんでしょうか。「今日は学校で何かあった?」「いや別にないよ」「じゃあ、塾では?」「特に……」という会話ではいままで書かせていただいたような効果が見込めないのは当然です。
お子様が自発的にお話しされるような雰囲気をおつくりいただくのが大切です。そのためには、少し忙しくてもお子様が話を始めたときには、ぜひ耳を傾けてあげてください。自分が興味を持ったことに対して、お父様やお母様も関心を示して聞いてくれるということがわかれば、お子様はきっと、もっといろいろと話したいと考えるようになっていくはずです。
テーマを決めた会話よりも、雑談をしているときの方が頭は働いていると聞いたことがあります。いろいろな話題に関して、相手の立場も考慮しながら話すことで、頭は回転するわけです。そういった意味では、さまざまな人との会話は有効なはずです。お父様やお母様だけではなく、おじい様やおばあ様との会話などもいろいろな点において効果的です。
授業の前後に私に「雑談」をしてくる生徒がいます。時間がある限り耳を傾けてあげるのですが、けっこう面白いことを話してくれる生徒もいます。ご家庭でもお子様との「雑談」をぜひ楽しんでみてください。
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