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中学受験の帰国生入試は、高校受験に比べ、試験日程や選抜方法が多種多様です。そのため、一般入試と帰国生入試の違いや種類をしっかり押さえ、お子様に合った入試形式を選ぶ必要があります。このページでは、帰国生入試の基礎的な内容や入試までの準備についてご紹介させていただきます。
帰国生入試の受験者数は年々増加傾向にあります。それに伴い、帰国生を積極的に受け入れる学校も増加しており、近年さまざまな種類の帰国生入試が実施されるようになりました。一般入試において優遇措置(加点)を行う学校から、帰国生に完全に特化した入試を行う学校まで、その入試形式は多種多様です。また、中学入学後のクラス設定やカリキュラムについても学校によりさまざまな違いがあります。国際学級を設置し、帰国生へのフォロー体制が充実した学校もありますので、事前に各校の学習システムや教育理念を調べ、学校説明会などに参加した上でお子様にあった志望校選びをすることが何より大切です。
(1)4科(国語・算数・社会・理科)型
国内の一般入試受験者と同程度の学力が求められます。一般入試と同一日程・同一問題で入試を行い、基準点のみ異なる設定をしている学校が多くあります。
例)慶應義塾湘南藤沢中等部、早稲田実業学校中等部、東京都市大学付属中学校、本郷中学校、巣鴨中学校、城北中学校、豊島岡女子学園中学校、鷗友学園女子中学校など
(2)2科(国語・算数)型
社会・理科まで学習することが難しい海外での学習事情に配慮した入試形態です。一般入試と別日程の場合、基本的に国語・算数のレベルは一般入試より平易に設定されています。一般入試と同一日程の場合、入試問題は一般入試と共通で、基準点のみ異なる場合が多いです。
例)渋谷教育学園渋谷中学校、広尾学園中学校(本科ほか)、聖光学院中学校、海城中学校、立教池袋中学校、学習院中等科、東京都市大学付属中学校、攻玉社中学校、立教女学院中学校、学習院女子中等科、大妻中学校、共立女子中学校など
(3)3科(国語・算数・英語)型
国語・算数に英語を含めたバランス型の入試形態です。近年、帰国生に対して英語だけでなく国語・算数の学力を求める学校が増加しており、対策が求められます。また、面接を重視する学校もあります。
例)慶應義塾湘南藤沢中等部、渋谷教育学園渋谷中学校、広尾学園中学校(インターAG)、開智日本橋学園中学校、三田国際学園中学校、成蹊中学校、市川中学校、東邦大学付属東邦中学校、海城中学校、暁星中学校、東京都市大学付属中学校、頌栄女子学院中学校、洗足学園中学校(B方式)、白百合学園中学校など
(4)英語+α型
英語圏の現地校およびインターナショナルスクールに通学していた生徒に配慮した入試形態です。英語試験の難易度は学校によりさまざまです。面接(英語・日本語)やエッセイをあわせて実施する学校もあります。
例)渋谷教育学園幕張中学校、三田国際学園中学校、公文国際学園中等部、攻玉社中学校、洗足学園中学校(A方式)、頌栄女子学院中学校など
(5)独自型
(1)~(4)のいずれにも分類されない、独自の入試形態を設定しています。適性検査や作文・面接のみを行う場合や、国語・算数・英語から2科目選択して受験する場合などがあります。
例)東京学芸大学附属国際中等教育学校(作文・適性試験+面接+書類審査)、東京都立 立川国際中等教育学校(作文+面接)、東京都立 白鷗高等学校附属中学校(作文+面接)など
小学4年生
学習面では、国語・算数の2科目の基礎定着を優先させましょう。海外に在住していると英語の学習を優先させがちですが、ある程度生活が落ち着いてきたら、国語と算数の学習も徐々に進めることをおすすめします。昨今の帰国生入試では国語と算数の問題が難化傾向にあり、一般入試の問題とほぼ同じ難度まで上がっている学校もあるためです。対策としては、特に国語の音読が重要です。
一方、すでに帰国されている場合は、国内の一般生同様、4科目の勉強を進めることで志望校の選択肢が広がります。
また、この時期は小学5・6年生と比較して、時間に余裕がある時期です。スポーツや文化活動などに積極的に参加し色々な経験を積むことで、お子様の精神的な成長がうながされ、中学受験を乗り越えていくための大きな力となります。
学校選びについては、一時帰国の際に気になる学校や目標としたい学校に積極的に見学に行くことをおすすめします。
小学5年生
小学5年生になると、国語と算数の難度が上がり、多くの受験生はこの段階で学習につまずいたり、苦手意識を持ったりしてしまいます。一方で、小学5年生の学習内容をしっかりと定着させることができれば、受験に求められる単元学習は8割程度まで習得できたと考えられます(一般的に単元学習は小学6年生の夏までに完了します)。
次に、志望校の入試形態に社会・理科が含まれる場合、小学5年生からその学習を始めておくことをおすすめします。受験日程を確認するとともに、4科目受験をすることの負担を踏まえ、受験校をご検討ください。
また、現地の学校での出席状況については、出願の際に提出を求められることが多いです。例えば、インター校でESL(英語を母国語としない生徒のための英語の補習クラス)から通常授業にクラスが替わる場合、のちに欠席扱いになってしまう場合があります。出願前に訂正できるよう、体調不良で学校を休んだ場合を含め、ご家庭でも現地の学校への出席状況の記録をつけておくことをおすすめします。
このタイミングで、具体的な志望校選びも始まります。一時帰国の際に、可能な限り親子で学校見学に行き、志望校を選定しましょう。入試難度が少し高めの学校を選んで見学することで、お子様のモチベーション向上につながります。また帰国生入試の過去問は書店で販売されていない場合が多く、学校説明会などで配布される過去問もたいていは1年分(最新年度)です。早い段階から学校説明会などに参加して過去問を入手しておくと、各校の受験対策に役立ちます。
小学6年生 1学期
学習面では、国語・算数(社会・理科・英語)の基礎固めを行うとともに、模試を受験することで志望校との偏差値の乖離を把握しておくことが重要です。ただし、偏差値は模試の種類や受験者の学力層によって異なってくるので、成績帳票の見方については注意が必要です。
また、入試当日に行われる面接では、海外経験について質問される場合が多いです。そのため、「海外と日本の違い」、「その国の良いところ」、「海外で成長したこと」などのテーマについて、日頃から家族で海外経験について話をすることが面接の対策にもつながります。
また、興味のある学校については、ホームページなどを通じて1学期のうちから学校情報を確認してみましょう。その後、学校説明会や文化祭などの日程をおさえ、参加できる場合は積極的に参加して、学校の雰囲気を直接確認してみましょう。
小学6年生 2学期
学習面では、過去問演習など各受験校の入試傾向に合わせた対策を進めます。最近では帰国枠の入試問題をホームページで公開している中学校や、海外まで郵送してくれる中学校もあります。残念ながら模範解答がないケースが多いですが、過去問を解いてみることで出題傾向が見えてきます。単元や難易度を確認して、使用しているテキストの類似問題にも取り組みましょう。一般入試と同じレベルの問題を帰国生入試で出題する学校も増えています。そういった学校については書店で購入できる一般入試の過去問で帰国生入試の対策が可能です。夏休みなどに一時帰国される際に購入するとよいでしょう。
次に志望校についてです。お子様や保護者様の意向をもとに、受験校を選定していきます。第一志望校の入試当日に最も力が発揮できるよう、併願校を検討します。
出願準備も同時に進める必要があります。願書を取り寄せ、必要な提出書類(海外在留証明書、成績証明書など)の手配を始めましょう。直前に慌てることのないように余裕をもったスケジュールを組むことがポイントです。
小学6年生 直前期
帰国生入試の日程は一般入試に比べ、1~2カ月程度早く始まります。そのため、入試に合わせて早めに準備をする必要があります。
また、入試直前期は学力が最も伸びる時期です。志望校合格に向けて最後まであきらめずに取り組みましょう。面接では志望理由をはじめ、自身の海外経験やそこでの成長について質問されます。自分の言葉で伝えられるよう、練習を重ねましょう。そして、この学校で学びたいという熱意を伝えることが大切です。
入試当日は、過去問の持参をおすすめします。問題を解く順序の最終的な確認ができるとともに、繰り返し解いた過去問を直前に眺めることで、自信と安心感を持って受験に臨むことができます。仮に入試傾向が変わっていたとしても、受験生全員が同じ状況なので、焦らず落ち着いて問題を解きましょう。
帰国生入試は、お子様の置かれた状況によって対策が大きく変わります。
第一志望校合格には、最新の情報をもとに、適切な対策をすることが何より大切です。
早稲田アカデミーでは、お子様の第一志望校合格に向けて、下記の海外生・帰国生向けサービスを通じてお子様をサポート致します。
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