『テストや宿題をまったく見せてくれない子どもです・・・。』
2011.06.24
今回のブログから低学年セミナーのアンケートにお寄せいただいたご質問にいくつかお答えしていこうと思います。今回は第1回として、下記のようなご質問を選ばせていただきました。
『テストや宿題などまったく見せてくれず、自分でやっているから"大丈夫"と言います。(実際はムラなどがあるのですが)どう対処すればよいでしょうか。』(小4・女子)
他にも『親子の関係がギクシャクし始めて、子どもがすぐにキレてしまいます』(小4 女子)などという同じような内容のご質問もありました。
一般的に反抗期と呼ばれる時期は、第1反抗期が幼児の頃、第2反抗期が中学生の頃、と言われています。しかし、小学生の時期に"中間反抗期"と呼ばれる時期があるようです。私の経験から申し上げると、反抗期を迎えることによって、自立し精神的に成長して、成績的にも伸びることが多いようです。今回のご質問のようなお子様の状態を"自分は親とは違う人間なんだ、だから自分の意志とやり方で学習していくんだ"というように捉えれば、自立へ向けたひとつの成長とご理解いただけるのではないでしょうか。
例えば、ピアノの練習ならば『自分でやるから大丈夫』とお子様が言えば、『そう?じゃあがんばるのよ!』と成長を喜ぶこともできるはずです。しかし、塾での勉強では"本当にできるのかしら"と不安な気持ちも湧いてくることもあるでしょう。その場合は、塾の担当の先生にご相談ください。子どもの精神的な成長を促すためにも、一旦手を放すので、宿題の完成度や授業中の集中力に問題が生じるようならすぐに教えて欲しいとお話いただくのがよいでしょう。YT(単元テスト)の成績などは一時期下がるかもしれませんが、長い目で見れば、早いうちに親の手を離れて、自分なりの学習を進めることができるようになるのは、好ましいことなのです。
中学受験の学習を進めていく上で、特に高学年になれば、依存心は大きな障害となります。次回以降のセミナーでもお話しようと思っていたのですが、依存心を強く持ったままのお子様は"本番に弱いタイプ"になってしまいます。せっかく、お子様が"自分でやる"と言いはじめているのであれば、良いきっかけですから任せてしまうようにしてみてください。
さて、お子様が任せてほしいと思っているのに、親が強く干渉すれば、そこには感情的なしこりが生まれてしまうのは当然のことです。"ギクシャク""キレる"などはこの感情的なしこりを表現された言葉だと思います。多くのご家庭で(受験学習をしていても、していなくても)このしこりは生じているものです。誤解のないように申し上げれば、子どもは成長して先へ進んでいるのに、親は小さい頃のやり方を強いてしまうような場合に生じるものでしょう。特に受験学習をしている場合、他のことでは無意識のうちに子どもの成長を認めているのに、勉強や成績のことになると不安が募り、どうしても親の管理下に置きたいと考えられる方も多いようです。上記しましたように、ある程度を任せることで、親子の関係も一歩先に進めるはずです。
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