「『根気』と『忍耐』」
2017.06.20
「忍耐強い」ということは、社会人として仕事を進めていくうえで、大切な要素のひとつです。ただ、小学生の学習を考えたときには、「忍耐強くある」ことは必要ないと考えています。
「忍耐強く授業を受けている」と聞いたときに、どのようなイメージがわきますか。「理解できていない内容をガマンしながら聞いている」、そんな場面が思い浮かぶのではないでしょうか。「忍耐強く宿題に取り組んでいる」という言葉ではどうですか。「問題を前にしてじっと机に座っている」、そんな印象ではないでしょうか。
授業中でも、家庭学習でも、机の前に座っているだけでは学習は進みません。常に頭を回転させていなければならないはずです。そういう意味で「忍耐強く」学習に取り組むというのは、本来の学習の仕方からは少しずれているように思うのです。
一方で、「根気よく」問題に取り組むというのは、とても大切なことだと考えています。「忍耐強い」と「根気よく」は同じ意味でとらえられることもありますが、私は、こと学習に取り組む姿勢に関しては分けて考えています。
「根気よく」学習に取り組むというのは、正解にたどり着くまで、問題を細かく分解し、一つひとつ丁寧に解き進めていくイメージです。難関中学校の入試問題を解き切るためには、絶対に必要な学習姿勢です。
さて、お子様の学習姿勢はいかがでしょうか。よくご相談いただくこととして「勉強時間はしっかりとっているのに、なかなか成績が上がらない」というものがあります。机の前に「忍耐強く」座っていることが勉強なのでありません。わからない問題を目の前にしてじっと座っていても、ただ時間が過ぎていくばかりです。そういう学習スタイルになってしまうと、成績が上がらないだけでなく、学習そのものが苦手になってしまう可能性も出てきます。
一方で机の前ではなくても、いろいろ考えて頭を回している状態は、ある意味「勉強」ととらえることもできるはずです。以前、担当していた生徒が「算数の難しい問題ができなかったのであきらめていたら、次の日の学校の給食の時間に解き方を思いついた」と言ったことがありました。彼女の頭の中にはずっとその問題が残っていたのでしょう。学校でそれを考えていたわけではないのでしょうが、パッと「ひらめいた」という感覚なのだと思います。
明日(6/21)は早稲田アカデミーの社員研修が実施されますので、今回は一日早く火曜日に記事を更新させていただきました。
次回からは何回かにわけて、国語の学習法を書かせていただくことにしています。先日実施させていただいた『クローバーセミナー』のアンケートで一番多かったのが国語学習に関してのご相談でした。ぜひお読みいただければと思います。
- 2017.07.07 『この夏を成功させる5つの方法 ~第2回クローバーセミナーより~』
- 2017.07.05 『夏をなめるな。』
- 2017.06.30 「国語の学習に関して③ ~記述力・表現力~」
- 2017.06.28 「国語の学習に関して② ~読解力とは~」