『読解力を高める読書の仕方は?』
2011.11.25
先日、あるお母様からお電話をいただきました。クローバーセミナーに何回かご参加いただたいた方で、このブログも毎回ご覧いただいているとのことでした。ありがとうございます。
『読解力を高めるための読書の仕方を教えて欲しい』というお話でしたので、お子様の状況をうかがいながら、いくつかアドバイスをさせていただきました。その中のポイントを今回は書かせていただきます。
「読解力」にはいくつかの要素があります。まず必要なのが「語彙力」です。使われている言葉が分からなければ、書かれている内容を理解することは到底無理な話です。一方で、知らない言葉の意味を想像して推測する力も必要になります。前後の文脈や漢字の字面から、推測して読み飛ばすこともできなければなりません。余談になりますが、この言葉を推測していく力が伸びてくると国語力全般の伸長につながります。前提となる「語彙力」の次に必要となるのが、「文章内容を頭の中に構築する力」と「その先の展開を予測する力」です。
「読解力」とは、「文章内容を頭の中に構築する力」と言い換えることができます。書かれている文章に沿って、内容を頭の中に「積み上げて」いくような感覚です。読み終わったあとに、文章内容が自分なりの形でイメージできているかどうかがポイントです。
そして、読んだ文章内容が自分のものになり、イメージとして頭の中に構築できるようになると、その先の予測ができるようになります。この「その先の展開を予測する力」が身に付いているか確かめるためには、途中まで読んだところで、『この先はどうなると思う?』と問いかけることが効果的です。実際にやってみるとお子様の頭の中に、文章がどれくらいしっかりと入っているかが分かると思います。ぜひ、お試しください。
一方、読書をした後に『どんなお話だった?』と問いかける方がいらっしゃいます。もちろん効果がないわけではありませんが、この問いかけが頻繁に行われると、お子様は「お父さん・お母さんに教えるために覚えながら読む」という読書スタイルを身に付けてしまいます。なによりも「楽しみながら」読むことが、本質的な読解力を高めるためには最重要ですので、その点にはご留意ください。
さて、お話の続きを書かせる設問は実際の中学入試でも出題されています。古くは平成5年のフェリス女学院中で、芥川龍之介の『トロッコ』の続きを200字程度で書かせる問題が出題されていますし、平成14年の雙葉中では『この文章の続きを真理子の思いを中心にして書き、お話を完成させなさい。「生きる」「命」のことばのどちらかを必ず使うこと』という設問が出題されています。本質的な読解力を試す一つの出題形式と捉えることもできるでしょう。
正解できましたでしょうか?次回のブログで、四つ葉のクイズ其の14を出題する予定です。お楽しみに。
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