『定着が早いタイプ、遅いタイプ』
2011.12.09
先月行われた「クローバーセミナー」のアンケートに書かれていたご質問にお答えします。
『普段のYT教室だとまずまずの点数なのですが、範囲が広い組分けテストになると良い成績がなかなかとれません。どのようにしたらよいでしょうか。(小4男子)』
まず、このケースの場合、学習方法に要因があるだけではなく、お子様の性格(タイプ)による部分も大きいということをご理解いただきたいと思います。
一般的に、定着が早いタイプのお子様は、忘れてしまうのも早いので、毎週の単元テストではそこそこの成績が取れても、組分けテストでは取れない傾向があります。定着が遅いタイプのお子様は、その逆になるわけです。そして、この両者のうちどちらがいいわけでも悪いわけでもありません。また、入試に有利になるわけでも、不利になるわけでもないのです。お子様のタイプを理解した上で、将来の伸びを予測し、そのための家庭学習スタイルを作っていくことが大切なのです。
例えば、定着が早いが忘れるのも早いタイプの算数の学習で考えてみましょう。早稲田アカデミーの小4生と仮定してお話をしますと、毎週の家庭学習課題の中では『計算と一行問題集』で直近の学習内容をチェックすることが効果的です。各回の(6)・(7)では既習単元の復習内容が出ていますので、もし間違いがあるようでしたら、予習シリーズの該当回に戻って、確認をしてみるとよいでしょう。また、このタイプは細かい点をおろそかにしがちです。算数でいえば『単位の計算』などが一番苦手になっているはずです。広さ(面積)の換算などは小6の最難関校受験生でもあやふやなままの生徒もいますので、早いうちに克服させておきたいところです。
ただ、忘れるのが早いからといっても、全てが抜けてしまっているわけではもちろんありません。繰り返し学習する中で、定着が図れていくはずですので、次に同じ単元が出てきたときに一段高いレベルでの理解が進むと考えていただければ大丈夫です。小4段階ではそれほど強く心配する必要はありません。
お子様のタイプによって適する学習スタイルは異なりますし、伸ばすための学習方法も違います。『こうしたらうまくいった』などという方法がよく紹介されていますが、あくまでもそれはそのお子様に合っただけなのです。巷にたくさんあるダイエット方法などと同じだと思ったほうがよいかもしれません(笑)。まずはお子様の性格やタイプを見極めて、そこから考えていただくことをお勧めいたします。
正解できましたでしょうか?次回のブログで、四つ葉のクイズ其の16を出題する予定です。お楽しみに。
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