四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『赤鼻のトナカイが教えてくれること』

2011.12.22

クリスマスにちなんだ記事をもうひとつ書かせていただきます。皆さんもよくご存知の『赤鼻のトナカイ』についてです。

もともと1800年代にはサンタクロースのソリをひいているトナカイは8頭で、ちゃんと名前も、並んでいる順番も決まっていました。1900年代になって、そこにルドルフ(Rudolph)という仲間が9頭として加わりました。昔、どこかで聞いた話なので、うろ覚えの部分もありますが、ルドルフのお話ができたいきさつをこんな風に聞きました。有名な話なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

アメリカ人の会社員ロバートには4歳になる娘がいました。クリスマスをひと月後に控えたある日、娘がこう聞いてきたのです。

『どうしてうちはみんなと違うの?』

ロバートの妻は重い病気で入院していて、家に帰ってくることはなかったそうです。治療費がかさんでいることもあり、裕福とはいえない暮らしぶりの中で、娘が何を指して『みんなと違うの』と聞いているのかは分からなかったのですが、その質問への答えとして、ひとつのお話を即興で作って娘に話して聞かせたのが『赤鼻のトナカイ』のお話だったそうです。「みんなとは違う」赤い鼻を持っているルドルフというトナカイの話...。

娘はその話を気に入って、毎晩彼にその話をせがむようになりました。娘へのクリスマスプレゼントを買う余裕もないロバートは、そのお話を自分で絵本にして渡そうと作り始めました。

その年のクリスマスの直前に、懸命の治療の甲斐なく妻はこの世を去ったそうです。

毎年行われる職場のクリスマスパーティー、妻の死に意気消沈しているロバートはパーティーを楽しむような気分ではなかったのですが、半分仕事の場でもあり、仕方なく参加していました。その中で、一人ひとりが場を盛り上げるためにステージに上がることになったそうです。歌を歌ったり、ジョークを披露したりする同僚たちの中、ロバートは全くそんな気分にはなれずにいました。

ロバートの順番がきました。ロバートは、皆に謝って許してもらおうとステージに上がりました。そんなとき、ふとポケットに入っている絵本の原稿を思い出しました。ロバートは、静かにその原稿の朗読を始めました。

最初は場違いとも思えるような朗読に驚いていたパーティーの参加者たちは、次第にその話にひきこまれ、終わると同時に大きな拍手が起こったそうです。

クリスマスにちなんだ伝説のひとつかもしれませんが、いいお話だと思いました。
子供たちはロバートの娘のように、人と違うことを気にすることがあります。算数の問題を解くスピードの遅さや、がんばってもなかなか覚えられない漢字など。それぞれの成長過程や性格の違いなどから、できること、できないことは違います。『みんなができていることだから、自分もがんばろう!』という気持ちを持つことは、とても大切なことです。ただ、それが『みんなができているのに自分だけできない』という劣等感やコンプレックスにならないように、この『赤鼻のトナカイ』のお話は教えてくれているような気がします。

よろしければ、クリスマスの日にお子様にも教えてあげてください。

■■□四つ葉のクイズ 其の17□■■
四つ葉のクイズ 其の17

正解は次回のブログで発表します。

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