「なぜ」と考える習慣を
2012.02.22
中学受験情報誌『サクセス12』をご存知でしょうか?
早稲田アカデミーが編集製作している情報誌ですが、最近発行部数も増えているとも聞いています。
早稲田アカデミーにお通いの方には、お子様を通じてお渡ししておりますので、お読みいただいていることと思います。
中学受験だけではなく、子育てに関する記事や、お子様方の将来の教育などに関しても興味深い記事がたくさん載っています。
隔月で発行されているのですが、今週の早稲田アカデミーの授業内で3月・4月号が配布になると思います。
実は、そのサクセス12の中で『福が来るアドバイス』というコラムを連載させていただいています。
今号では『「なぜ」と考える習慣』について書かせていただきました。
詳しくは記事をご覧いただければと思いますが、「なぜ」と考えることで思考力が身に付くということと、
保護者の皆様が「なぜ」と問いかけることで物事の本質にたどりつくということ、について書いてあります。
今日のブログでは、その記事の続きとして、昔担当していた生徒のことについて書かせていただきます。
以前、私が池袋本部校にいたときに、小学校5年生の生徒から質問がきました。
その内容とは、「なんで池袋は夜になっても涼しくならないの?」というものでした。
もちろん季節は夏の話しです(ちょっと季節感がおかしいのでこの話は雑誌には書かなかったのですが...)。
詳しく聞いてみたところ、宮城県に住んでいるおばあちゃんの家では、昼間どんなに暑くても夜になると涼しくなるのに、
自分の家のある池袋では夜になっても全然涼しくならないということに気がつき、疑問を感じたということでした。
ちょうど夏休みに入ったばかりの頃だったので「自分で調べてみたら...」とアドバイスしてみました。
お母様とも相談をし、おばあ様にもお手伝いいただき、彼はひと夏の間、昼間と夜の気温の変化を、
宮城県と池袋で定点測定をしてグラフを作りました。
都会の「ヒートアイランド現象」がはっきりとわかる資料が出来上がりました。
そこから、彼なりに宮城県と池袋の違いを考え始め、出てきた仮説が
「アスファルトと土の地面の違い」「エアコンの使用度合い」という、正解にとても近い(正解そのものといってもよい)答えでした。
少しうまく行き過ぎたような気もする事例ではありますが、
この経験によって、彼は自分で考えて問題を解決していく力を身につけられたと思っています。
PISAのテストで判定される能力も「問題発見能力」「問題解決能力」などという名前がつけられていますが、
小学生段階での学習の本質は、単なる知識の暗記ではなく、こういった思考方法の習得なのです。
ご家庭においても、まずは「なぜ」と考えるところからはじめてみてください。
正解できましたでしょうか?次回のブログで、四つ葉のクイズ其の25を出題する予定です。お楽しみに。
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