『中学受験の成功とは...』
2012.06.29
全国統一小学生テストをご受験いただいた方とお話しさせていただく中で、『小学校受験で失敗した経験があり、そのことを考えると怖くて中学受験に踏み出せないでいる』というお話をうかがいました。早稲田アカデミーには今年度初め(2月)から通うこともお考えになったそうですが、やはり一歩を踏み出すことができなかったとおっしゃっていました。以前にも同じようなことを書かせていただいたのですが、その保護者の方にお話したことをもう一度書かせていただこうと思います。
受験である以上、そこには合格者もいれば、残念な結果に終わる方もいます。不合格になることそのものを『失敗』と捉えてしまうと、『失敗が怖い』というお気持ちになるのも分からなくもないのですが、不合格という結果は本当に『失敗』なのでしょうか。私は中学受験の成功は必ずしも合格することではなく、また不合格という結果は失敗ではないと考えています。
毎年、2月の新年度スタート時に、私は小6受験生に対して『受験の成功・失敗』という話をします。その中で『合格することが成功なのであったとしたら、隣の生徒の答案が見えて、それを写して合格しても成功なのか』という問いかけをします。もちろん『それは成功ではない』という答えが返ってくるわけなのですが、どうしてそれが成功ではないのかも考えさせます。いろいろな意見が出てくるのですが、最終的には『入学してもついていけないから』という答えに行き着きます。
入学試験は、その中学校に入るのにふさわしい力を持っているかどうかを試すために行われます。そのための力を蓄えることができれば、それが成功なんだ...と生徒たちに話をするわけです。
私は中学受験を進めていく過程において身に付くものが大きく二つあると考えています。一つは『大きな目標に向かって真剣に取り組む経験』であり、もう一つは『深く考え、判断していく力』であると思います。前者に関しては、前回の『本気でやる子を育てる』という記事でも書かせていただいた内容です。もちろん、それ以外にも幅広くたくさんの知識も身に付くでしょうし、素早く正確に処理をしていく力も身に付くでしょう。そして、それらの経験や力は、お子様方が未来を生きていくうえで必ず役に立つものだと考えているのです。そう考えると『中学受験に失敗はない』というのが、自然な結論になるはずです。もし、中学受験をスタートするかどうかでお悩みでしたら、勇気を持って一歩を踏み出してみて下さい。
正解できましたでしょうか?次回のブログで、四つ葉のクイズ其の41を出題する予定です。お楽しみに。
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