『校舎の前で、教室の廊下で。』
2012.09.14
早稲田アカデミーには「立ち番」というシステムがあります。生徒の皆さんが通塾する時間に合わせて、校舎の前に講師が立って出迎えるシステムです。皆様もご覧になったことがあるのではないでしょうか。
立ち番にはいくつかの目的があります。まず、「生徒の安全管理」です。各校舎の立地はさまざまで、校舎の前に大きな道路が走っているところもあれば、近隣に繁華街があるところもあります。どのような条件であってもお子様方が安全にご通塾いただけるように、注意を払っているわけです。ですから、校舎に来るときだけではなく、帰るときにも「送り出し」という表現で実施している校舎もあります(電車通塾生の多い校舎では駅までの「引率」を実施しているところもあります)。
また、もうひとつの大きな目的は、生徒の中に『今日もがんばるぞ!』という気持ちをつくることです。早稲田アカデミーの授業で大切にしていることのひとつに『レディネス』があります。これは生徒の気持ちの中に「これから勉強をしようとする態勢」をつくりあげることです。講師がどんなに素晴らしい授業を展開したとしても、生徒がその内容を吸収しようとする気持ちになっていなければ十分な効果が期待できません。そこで校舎の入口を入った瞬間から、気持ちを勉強モードに切り替えさせるために、入口で講師たちは生徒たちに向けて、大きな声で挨拶をしているのです。ですから、単に「こんにちは」や「こんばんは」だけではなく、『今日は漢字テストで満点とれよ!』であったり、『昨日のテストはどうだった?』という言葉であったり、『宿題は終わっているか?』といった、生徒たちが勉強に前向きになるような声掛けも行っています。
最後の目的は、お子様の状態のチェックです。生徒の登塾してくる様子から、その子の体調や気持ちの状態が読み取れることが少なからずあるのです。先日のことですが、いつも元気よく小走りで登塾してくる生徒が、下を向いたまましょんぼりと歩いてきました。気になったので、ご家庭に電話をしたところ、出掛けに宿題のことでお母様と喧嘩してしまったとのことでした。授業後に少し声を掛けたところ、その生徒は元気になって帰っていきました。塾講師はそんな視点でもお子様を見ています。
先日来、書かせていただいております私の足の怪我ですが、今回も簡単に報告をさせていただきます。まだ、残念ながら車椅子でないと校舎には行けない状態なのですが、昨日は車椅子で授業をしてみました。ホワイトボードへの板書は上の方までは書けないのですが、それ以外は大きな問題もなく授業ができました。車椅子の扱いに慣れたのもあるとは思いますが、市川校の生徒たちも協力してくれ、またやはり子どもたちを前にすると痛みも和らぐというか、痛みを忘れるというか...。『先生は車椅子だったけど、今日の授業はどうだった?』と聞いてみたところ、『いつもと変わらない』という答えももらえました。『でも、なんか感想があるだろ?』とさらに問い掛けてみたところ、返ってきた答えは、『先生がいつもより小さかった!』。椅子に座った状態なので、それはもちろんなのですが...。
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