『中学校の選び方』
2012.09.28
先日の記事で「秋は学校選びの季節」であると書かせていただきました。多くの学校で「学校見学会」や「文化祭・体育祭」が行われていますし、早稲田アカデミーでも「秋フェス」と称して、いろいろな学校の先生方をお招きしての講演会を実施しています。いろいろな行事にご参加いただき、ぜひ「良い学校選び」を進めていただきたいと思います。中学受験は一生のうち一回しかチャンスはありませんし、通うことができる中学校は、当たり前のことですがひとつだけしかありません。通ってみなければわからない、などという声を聞くこともあるのですが、通ってみて失敗だったからもう一度他の学校を選び直すということはできないのです。そういった点から考えても、学校選びは慎重に幅広く、広い視野視点を持って進めていただくことをお勧めします。
学校選びを進めていく上で考慮すべきポイントは様々ありますが、その中で何を基準にし、何を優先するかをご家庭の中で決めておくことが大切だと、私はよく保護者会などではお話ししています。学校を選ぶときの「軸」を決めておくというような言葉を使うことがあるのですが、この「軸」がしっかりしていないと、これから先、いろいろな情報が入ってくる中で、保護者の皆様もお子様も混乱してしまうことになります。中学受験において、最大の情報は偏差値ということになります。受験学年になると、この偏差値をメインにして学校を決め始めてしまうことが多くあります。ただ、このような「狙える学校」「入れる学校」を選ぶような学校の決め方は、それから先の6年間にとってよいものであるとは決して言えないでしょう。
また、最近の傾向として大学進学実績を中心に選ぶケースが多くなっているようです。もちろん、大学進学実績は中学入試の受験校を選ぶ際、大きなファクターではありますが、そこだけを見て判断するのは賛成できません。なぜなら、学校で過ごす6年間の方がお子様にとっては大切なものだと考えるからです。身体的には幼児期から小学生の間に一番成長するそうです(身長の伸びなどもそうですよね)が、精神的な成長は12歳から18歳くらいが一番伸びるそうです。自分という存在をしっかりと見据え、自立し、そして自分の未来を考え始める6年間、その環境を決めるのが「中学校を選ぶ」ということだと私は考えています。
一方で、大学進学実績そのものに関しても、いまの実績がそのまま6年先(小4の方であれば8年先)の結果につながるわけではありません。各私立学校においても、在校生がより良い方向に進むことができるように努力を積み重ねています。カリキュラムや指導方法も毎年見直しを行っている学校も少なくありません。その結果、6年後には進学実績を大きく伸ばしている学校も数多く出てくると思います。
さて、では何を基準として選ぶのがよいのでしょうか。やはり「ここからの6年間」を見ていただくのがよいと考えます。校風や教育理念、指導方針やカリキュラム、学校生活全般などにも目を向けていただきたいと思いますし、もっと幅を広げて中学生・高校生としての生活のイメージを持っていただくのもよいでしょう。その点で考えると通学時間なども大きな要素になってくるはずです。そして、何よりもお子様の性格と学校のタイプをきちんと考えて、6年間のイメージをふくらませていただくのが一番大切なことだと思います。
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