『サンデーショック!』
2012.11.16
現在、小学校4年生の皆様が中学入試を迎える2015年。首都圏で一番たくさんの学校の入試が行われる2月1日は何曜日かご存知でしょうか。正解は日曜日です。実は中学受験の専門用語として『サンデーショック』という言葉があるのですが、この年はそれにあたるのです。
キリスト教系のいくつかの学校では、毎年入試を実施している日が日曜日にあたると、入試日を前後に動かすことがあります(キリスト教系の学校全てではありませんが...)。2月1日は都内・神奈川の中学入試解禁日にあたり、難関校の入試がこの日に集中しているため、日曜日にあたる年は大きく受験地図が変わってくるのです。毎年の一般的な併願パターンがこの年は通用しなくなってしまうため、各学校の難易度にも変化が生じてきます。そして、試験日を移動するキリスト教系の学校の中には難関校・有名校があるために、その学校との併願者が多い、キリスト教系以外の学校でも試験日を変更したり、日程ごとの募集定員を変えたりと様々な変化がある年なのです。ただ、この『サンデーショック』は女子校がほとんどですので、男子の受験にはほとんど影響はありません。
前回の『サンデーショック』は2009年入試でした。この年に入試日を2月1日から2月2日に変更した主な女子校は以下のとおりです。
【女子学院・フェリス女学院・横浜共立学園・横浜雙葉・立教女学院・東洋英和女学院・清泉女学院・恵泉女学園 など】
ご覧いただければお分かりのとおり、難関校がそろっています。まず目に付くのは、御三家中と呼ばれる学校の中のひとつ、女子学院が2月2日に入試を行うということです。例年であれば、御三家中学(男子も含めて)は全て2月1日に入試が行われますので、御三家中を併願することはできないわけです。しかし、この年に限り、桜蔭や雙葉と女子学院が併願できるのです。中には早稲田実業と女子学院を併願したりするケースもあります。難関校の受験機会が普段よりも多いという意味で『サンデーチャンス』とも呼ばれることもあります(私もどちらかというと「チャンスの年」ととらえたい方です)。ですから、女子学院の応募者が下記のように大きく変わります。募集定員は240名で変わっていないのですが、応募者が一気に増えていることがお分かりいただけると思います。一方で合格しても2月1日の併願校(桜蔭など)に進学を決める生徒も多くなることから、合格者も多く出ています。
女子学院以外では、神奈川県の女子難関校の動きです。俗に「神奈川女子御三家」と言われる、フェリス・横浜共立・横浜雙葉の3校がそろって入試日を変更しています。この3校からの併願者が多い鎌倉女学院は、例年では2月2日が受験日なのですが、この年だけは逆に2月1日に受験日を変更しています。
2月2日や2月3日が日曜日になった場合も、2月1日ほどではありませんが、若干の影響が出てきます。上記の女子学院では、2月1日入試の場合、発表日は2日なのですが、2日が日曜日にあたると3日に発表日をずらします。そのほかにも2日入試のキリスト教系の学校が入試日を動かすこともあります。ちなみに2014年(現小5生の受験)は2月2日が日曜日にあたります。
さて、少し詳しく受験日程のことを書かせていただきましたが、だからといっていまやるべきことが変わるわけではありません。入試というのは、その学校でこれから学べる力がついているかどうかを試すものなのですから、極論をしてしまえばライバルとの戦いではないということも言えます。どんなに倍率が高くなろうが、その学校の求める力をちゃんとつけてきた生徒が入学許可通知を手に入れられると、私は思っています。
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