『教材の使い方』
2013.02.20
早稲田アカデミーの教材は数が多いです。早稲田アカデミーに限らず、進学塾では教材が多いのが一般的です。オリエンテーションや新年度説明会で各校舎の担当から使い方などについても話があったと思いますが、いざ実際に使い始めてみると、なかなか思うようには進んでいないのではないかと思います。まずご理解いただきたいのは、その教材や載っている問題の全てを扱う必要はないということです。
以前、ある難関私立中学校の校長先生とお話しさせていただいた際にうかがったことがあります。
『うちの学校は教科書や問題集、プリントなどの教材がやたらと多いんですよ。もちろん全部やれるわけではないですから、その中からクラスや生徒に合わせて扱うものを先生が決めるわけです。その取捨選択も先生の大切な仕事なんです。』
進学塾の教材も同じような考え方をもとに作られています。公立小学校・中学校のように、その年齢のお子様であれば誰もが理解できるレベルの内容を扱っている場合は、その教科書で扱われている内容の全てを完全に定着させなければなりません。しかし、発展的かつ応用的な思考を養う中学入試のための教材の場合、学習習熟度や精神的な成長度合いによって、扱う問題そのものも変える必要があるのです。
さらに、問題の中にはその時点では、まだ独力では解ききれないものも含まれています。なぜ「できない」問題まで出されているのかを不思議に思われた保護者からご質問をいただくこともあるのですが、一言で言うと、将来簡単に解けるようになるために先に見せて(考えさせて)おくためなのです。
小学校3年生時点では難しいと感じる問題があったとします。しかしたいていの場合、4年生になればその問題は苦もなく解けるはずです。その間に成長し、様々な思考方法も身につけることによって解決できるようになるわけです。そのためには自分の記憶の中に「できなかった」問題として残しておくことも必要なのです。その『記憶に定着』させるためのツールが単元テストでもあるのですが、その話はまた別の機会にさせていただきます。
このように、塾の教材は使い方が、学校の教科書とは違います。予習シリーズや各種問題集、さらにYT教室のテストまでを含め、お子様の状況に合わせて、全てを扱おうとするのではなく、取捨選択をするようにお考えください。迷われたら、まずは担当講師までご相談いただくとよいでしょう。
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