『宿題が物足りないのですが...』
2013.02.22
前回の記事で教材の使い方に関して書かせていただきました。早稲田アカデミーなどの進学塾では、教材の量が多く、扱わない問題もあるという話だったのですが、一方では「宿題量が物足りない」とお考えの皆様もいらっしゃると思います。特に早稲田アカデミーのスーパーキッズコースなどで学習されていた方は、問題を解くスピードや家庭学習における集中力なども身についていますので、現在クラスで課されている宿題は、それほど時間をかけずに終わってしまうこともあると思います。
もし出されている宿題が物足りないとお感じになられた際は、まずは担当講師までご相談ください。もちろん一番大切なのは、「かかった時間」ではなく「宿題そのものの完成度」になりますので、その点も含めてアドバイスをさせていただきます。実際に「物足りない」様子なのであれば、個別に家庭学習課題を調整させていただくことになります。場合によっては、教材以外の部分からもお子様に合わせた課題を出させていただくこともありますので、お気軽にご相談ください。
ただ、ひとつご留意いただきたいのは、物足りないからといって、お子様にとって必要のない問題を多くあたえすぎてしまうと、逆効果につながることもあるという点です。たとえば、陸上競技の走り高跳びを考えてみてください。自分にとってギリギリの高さのバーを越えるトレーニングを続けていれば、それ以上の高さを飛ぶための訓練につながります。しかし、自分の今の力で楽に越えられる高さのバーを飛ぶトレーニングをいくら繰り返していても、それは効果がないばかりか、レベルを下げてしまうことにもつながる可能性があります。簡単にこなせることなので、助走の速さが遅くなったり、フォームをくずしてしまったり...。同じことが学習に関しても言えるわけです。自分にとって簡単な問題に時間をとっても、それは単なる簡単な作業の繰り返しになってしまうのです。このような点を考慮すると、一番重要なポイントは、教材の中で扱う問題の取捨選択となります。ここはお子様のタイプや学習習熟度によって大きく変わってくる部分でもありますし、また一人のお子様でも科目によって異なる点でもあります。算数では「演習問題集」まで難なく終わるから、国語でも同じように...とはいかないわけです。さらに、学習に慣れてくれば解くスピードがはやくなり集中力もついてきますが、問題の難度も同時に上がりますので、常にバランスをとりながら見直していくことも必要です。
さて、家庭学習量の調整を行うためには、お子様の状況を正確に把握することが重要になります。そこで一番大切なのは「所要時間」です。どれくらいの時間がかかっているかによって、判断が変わってきます。その記録をつける習慣をお子様がお持ちになっていると、保護者の皆様や講師にとっても状況が把握しやすくなります。一問一問の時間を記入する必要はありませんが、ページ毎などに所要時間を記入することをお勧めします。その場合、単に時間を「○○分」と書くのではなく、「○○:○○~○○:○○」というように書くようにすると、どの時間帯に集中して取り組めているかなどを考えるときにも役立つはずです。
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