『小学生のときの学習方法を覚えていますか』
2013.05.10
いまから20数年前、はじめて早稲田アカデミーの教壇に立ったときのことを思い出すことがあります。中学生の授業はなんとかなったのですが、小学生の授業はとても難しく感じました。問題が難しかったわけではありません。どう教えれば理解してもらえるのか、宿題はどれくらいの量を出せばよいのか、そんなところがわからなかったのです。早稲田アカデミーも当時はいまほど研修制度が充実していませんでしたので、ベテランの先生に聞くことくらいしか解決方法はありませんでした。
実は私自身も中学受験のための勉強をしていました。当時は日曜日に行われていた四谷大塚のテスト(日曜テスト)も受験していたのですが、そのときのことを思い出そうとしても、断片的な記憶しか残っていません。日曜テストで出題されて頭を悩ました問題などはいまでも鮮明に覚えているものがあるのですが、毎日どんな風に勉強していたかなどは、ほとんど頭に残っていませんでした。勉強の仕方などで思い出すのは、中学生以降のことです。記憶が一番しっかりしているのは、やはり大学受験の時期のことです。
ところが、実際に生徒の前に立ってみると、精神的にある程度成長した中学生以上と、成長過程にある小学生とでは勉強方法そのものが違うということを痛感しました。ある部分では正反対といってもよいほどの違いがありました。
そこから小学生にとって、一番効果的な学習方法について考えるようになりました。自分自身の大学受験などの経験はほんの少しだけしか役には立たず、生徒たちと毎日接する中で、彼らから学んだことがほとんどのように思います。たとえば、歴史の年号暗記は中学生以上になると「鳴くよ(794)ウグイス平安京」「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」などの語呂合わせで覚えることが多いと思いますが、小学生では見た目のイメージ(ビジュアルイメージ)で視覚から入る方が、記憶への定着がよいことに気がつかせられたりしたのです。
保護者のみなさまはいかがでしょうか。 ご自身が小学生のときの、学習の仕方や難問に取り組んだときの気持ちを覚えていらっしゃるでしょうか。実は、お子様にアドバイスをしている学習方法などは、ご自身が成長してから(中学生や高校生になってから)のものではないでしょうか。もちろん、それが効果的な場合もありますが、小学生としての精神的な成長段階を考えていないと失敗してしまう場合もあることを知っておいていただければと思います。もしご心配な点がございましたら、早稲田アカデミーの担当講師までご相談ください。
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