四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「『積み残し』の意味」

2013.06.14

先週の土曜日に実施させていただいたクローバーセミナーのアンケートを拝見しました。ご参加いただいた皆様から、とても温かい評価をいただき、ご満足いただけたようでホッといたしました。次回(7/11)へ向けた準備もスタートしていますが、今回、ご記入いただいた内容なども参考にさせていただきながら、より充実したセミナーにさせていただきたいと考えております。ぜひ、たくさんの方にお越しいただければと思います。


さて、そのアンケートの中に「校舎の保護者会などでも聞いていた『積み残し』という言葉の意味が今まであいまいだったのですが、はっきりしました」というご意見がありました。実はそのご意見を読んで反省させられたのです。確かに、私も校舎の保護者会やさまざまな場面で、「中学入試のカリキュラムは『積み残し』が前提で組まれているので、安心してください」というような話をしていました。ただ「積み残し」という言葉の意味に関しては、詳しくご説明することは少なかったように思います。今回のセミナーの中で、その点について少し詳しく触れさせていただきましたので、上記のようなご意見をいただけたのだと思います。今回はそこでお話した内容を含めて、学習カリキュラムにおける「積み残し」の意味について書かせていただきます。


「積み残し」とは「なんとなくわかったけれど、自分ではまだできない部分(問題)」と言うことです。小学生はまだ精神的にも成長過程にあり、さまざまな考え方を学んでいる段階にあります。大人になれば、わかったことはすぐにできます。しかし小学生の段階では、わかってもできるまでには時間がかかるものがたくさんあります。ただ、その時点では「できないもの」でも、学んでおくことによって、自分の中で自然と理解が深まり、いつの間にか「できる」ようになっていることが多くあるのです。この点において、「大人の学び(学習)」と「子どもの学び」は大きく異なることをご理解ください。さらに、この「積み残し」部分を、積み残しとして定着させるのが毎週の単元テストになるのですが、この点に関しては以前も書かせていただきましたので、今回は割愛させていただきます。


セミナーの中では具体的な事例として、「小3テキストの敬語学習」についてお話させていただきました。小3の5月の国語カリキュラムに「敬語」が出てきます。「尊敬語」と「謙譲語」の区別なども教えるのですが、正直なことを言えば、小学校3年生にとってはとても難しい単元です。言葉を覚えるだけなのであればそれほどではないのですが、小3段階では「目上」「目下」というような感覚を持っていない生徒がほとんどですし、「へりくだる」というような意識はもちろんありません。ですから、ここで学習をしていく内容は「積み残し」となることが前提となります。頭の中に『人によって使い方を変える言葉がある』というイメージがインプットされれば、この時点ではよいのです。そして、ここからの毎日の経験の中で「目上」「目下」「身内」というような意識ができてきたときに、より理解が深まる下地になるのだとお考えください。そして、頭の中にそういう「引き出し」ができていれば、小5・小6になったときに、「食べる」の尊敬語は「めしあがる」、謙譲語は「いただく」という知識がスムーズに入るようになるのです。


さて、先週のクローバーセミナーでとらせていただいたアンケート『我が家は多数派or少数派』の結果【後半】を発表いたします。今回もなかなか興味深い結果になっております。じっくりご覧下さい。

同じテーマの最新記事

2017.07.07 『この夏を成功させる5つの方法 ~第2回クローバーセミナーより~』
2017.07.05 『夏をなめるな。』
2017.06.30 「国語の学習に関して③ ~記述力・表現力~」
2017.06.28 「国語の学習に関して② ~読解力とは~」
資料請求はこちら