四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「『集中力がない』のは悪いこと?①」

2013.06.21

学習効果を高めるためには、また成績を向上させるためには「集中力」は必要です。例えば暗記をするときに集中力が欠けていると定着させることはできませんし、問題を解いているときであれば、答えまでたどり着くことはできないでしょう。私が担当している小学校3年生の生徒でも、先日行われた全国統一小学生テストや必修テスト(月例テスト)で、実力を出したとは思えない結果をとってしまった生徒がいます。当日、テスト監督をしていたわけではありませんので、想像でしかありませんが(でも間違いなく当たっていると思いますが)、テスト中に「集中力」が途切れてしまったのだと思います。


集中力による差は、算数でももちろん出てきますが、国語の文章読解でより顕著に表れます。文章を読んで、全体の内容や構成を理解し、それを頭の中に入れた状態で問題を解いていくのが国語の文章読解問題の特徴です。算数の文章問題であれば、せいぜい5分ほどその問題を考えていればよいのですが、国語の場合には少なくとも10分以上の時間をその文章に割かなければなりません。その間、ずっと頭の中にその文章を置いておかなければならないわけです。いったん集中力が途切れてしまえば、それまで頭の中に入っていた文章内容はどこかに消えていってしまいます。そうすると、もちろんその先の問題を解き進めていくことはできなくなります。


結果、良く考えないまま答案用紙に答えを書くことになってしまい、それをご覧になられた保護者の皆様は「文章が全然理解できていない」と感じてしまうのです。そして、読解力がない、理解力がない、国語は苦手、といったような評価をしてしまうことになり、それを聞いたお子様自身も「自分は国語が苦手なんだ」と思い込んでしまうことになります。そうすると後は悪循環です。問題を解いていても苦手意識が先に立ってしまい、選択肢で迷ったり、記述問題でも空欄を残してしまったり、というような状態に陥ってしまいます。


先日のテストで失敗した私の生徒も、実は授業中の文章理解力は高いレベルにあります。気持ちが乗っているときや、文章内容に興味が持てるときには、非常に集中して問題にあたり、正答率も高いのです。そのことを知っているので、「実力とは思えない結果」と書かせていただいたのですが...。


さて、では「集中力がない」ことは本当に悪いことなのでしょうか。実は、それは「よい」とか「悪い」とかの問題ではないのです。


ドラマや漫画などでは、集中しなければならないときに他のことが頭の中をよぎったり、眠気が襲ってきたりすると、それを振り払うように頭をブンブンと振るシーンを見かけることがあります。しかし、そのような動作は自分がいま集中力を欠いているという認識を持てる大人(高校生以上くらいでしょうか)が、それを自覚して「これではいけない、集中しなければ!」と思って行うような動作ですから、小学生はなかなかやらないでしょう。


そもそも小学校低学年から中学年の子どもたちは、「集中する」ということそのものがよくわかっていません。いろいろなことが気になってしまったり、すぐに飽きてしまったりするのは、子どもとしてはある意味当然のことです。ただ、お子様が集中していないなぁ、と感じられると、「もっと集中しなさい!」と言ってしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


しかし、実はその言葉はあまり効果はないのです。自分はいま集中できていないんだ、ということを認識することにはつながるかもしれませんが、そこからどのようにすれば集中できるかは、お子様自身では、まだ解決できないはずです。では、どのようにすればよいのか...。


少し長くなってしまいましたので、次回に続けさせていただきます。


実は明日から、4日ほどタイのバンコクに行くことになっております。バンコクの提携塾にお通いの保護者の皆様を対象とした講演会を担当させていただくことになりました。昨年も6月に台湾の提携塾で講演をさせていただき、現地で撮った写真なども紹介させていただきましたが、今回も何かブログに書けそうなことがございましたら、次回以降の記事でご紹介させていただくつもりでおります。

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