四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「学習能力は遺伝?環境?」

2013.09.27

今話題になっている映画があります。『そして父になる』という作品ですが、最近テレビでもよく見かけますので、ご存じの方も多いかと思います。カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した、スペインの映画祭で話題になった、などの報道もされていたようです(調べてみたところ、明日からロードショー公開のようですね...)。


少々、ネタバレになってしまいますが、あらすじはテレビなどでも話がされているようですので、簡単にご紹介をしておくと...。出産時にとりちがえられた二人の男の子の家庭を題材としたお話しです。建設会社のエリートサラリーマンの一人息子、小さな地方の電気屋さんの三人兄弟の長男、その二人が小学校に上がる直前に病院から連絡が入るのです。病院側からは子供を「交換」することを勧められ...。そんな中で主人公は、子供の「親子としての血」をとるのか、「6年間の生活」を重視するのかで悩みます。


確かに「遺伝」というものは、様々なところで出てくると思います。特に身体的な特徴に表れるところは大きく、実は私も手の形は父親にそっくりだったりします。顔立ちが似ているというのは、一番わかりやすいところでしょう。もちろん、学習的な能力も遺伝をする傾向はあると思います。「理系」「文系」というような傾向も遺伝する部分もあるそうです。ただ、私はこと学習能力に関しては、遺伝と同じくらい、もしくはそれ以上に後天的な環境によるところが大きいと考えています。スポーツとの比較をしてみたいと思います。たとえば100m走で世界記録を樹立するような選手の場合、身体的な能力の限界までを発揮した結果での勝負になります。となれば、もって生まれた身体的能力の差が、結果として勝負を分けることになるわけです(もちろん、そこまでの努力があってこそですが...)。


一方で学習能力に関しては、その限界までの勝負にはなりません。人間の脳の限界というものははかり知れないものだそうです。となれば、その能力をどのように開発するかの方が重要になってくると思うのです。


お子様が小さいときに、どのようなものに興味を持つかは、親の影響が非常に大きいでしょう。先ほど述べた「理系」「文系」も、遺伝的要素もあるでしょうが、どのような環境で育ったかという影響もあるように思います。逆に言えば、お子様の能力をどのように開発していくかは、親のリードによる部分が大きいということにもなります。


私は保護者の皆様から大切なお子様をお預かりするにあたって、単に志望校に合格させるだけではなく、そのお子様の将来も見据えて指導にあたらなければならないと考えています。そのためには、目の前のテストでよい成績をとらせることだけではなく、お子様が持っている能力を引きだし、開発していくことにつながらなければならないと思うのです。


今回は私なりの意見を書かせていただきましたが、映画の中で主人公はどのような選択をするのでしょうか。


さて、話は変わりますが、来週の金曜日(10/4)の午前中に、本年度第3回目となる「クローバーセミナー」を牛込箪笥区民ホール(牛込神楽坂駅)にて実施させていただきます。今回は『秋から始める学校選び~保護者が知っておかなければならないこと~』と題して、お話しさせていただきます。今回の記事にもつながるのですが、お子様の能力を開発するためには、一番成長する12歳から18歳までの6年間の環境を選ぶことが非常に重要です。現在の大学の状況、さらには大学卒業後の状況などからお話し、お子様の将来についてお考えいただくヒントにしていただければと考えております。ご都合が合いましたら、ぜひお越しください。お待ちしております。

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