「記述問題の解き方③」
2013.10.25
「記述問題の解き方」についての最終回となります。一部専門的な内容も含まれていますが、ぜひお読みください。
下記の「記述問題を考える五つの過程(段階)」について、前回の記事では①~③まで触れました。
①設問内容の把握
②解答イメージの構築
③解答に使用する語句の選別
④設問に答える形の文章にまとめる
⑤読み直す・見直す
今回は、④と⑤についてです。さらに後半では、小3小4学習におけるポイントについても書かせていただきます。
④設問に答える形の文章にまとめる
③の過程で選別した語句を、解答文としてまとめる作業です。ここでの重要なポイントは、③と④の過程をしっかりと分けて行うことです。言葉を選びながら文章を書く生徒もいますが、あまりオススメはできません。特に字数が多い記述の場合、そのやり方だと回りくどい文になってしまったり、意味が通らない文になってしまったりすることが往々にしてあります。
また、同じような意味合いの語句を重ねて使ってしまったり、逆に入れなければならない言葉が足りなかったりと、内容的には外れていなくても、減点されてしまう答案になってしまう可能性もあります。
高学年になれば、この段階ではいくつかのテクニックも必要になります。「主語-述語のつながりをしっかりとおさえる」「修飾-被修飾の関係はなるべく近くに置く」「二段階の因果関係は『ので』→『から』でまとめる」などなど。低中学年向けの国語のテキスト(問題集)でも、このようなトレーニングをするための問題が載っています。ひとつ古典的な問題の例として挙げておきましょう。
問 次の文の言葉をうまく並べ替えて、「泣いている」のが太郎君とわかるようにしなさい。
先生は 泣きながら テストの問題を 解いている 太郎君を なぐさめた。
【解答】
泣きながらテストの問題を解いている太郎君を先生はなぐさめた。
⑤読み直す・見直す
記述問題の見直しはなかなか難しいものです。中学生以上になれば、自分で書いた解答文を読み直すことで、文としてのつながりがおかしいところや、誤字脱字を見つけられるようになります。しかし、小学生の場合、「正しい」と思って書いた答案は、いくら読み直してもなかなかミスや間違いを見つけることができないのです。
トレーニングの仕方としては、「誤字脱字のチェック」⇒「主語-述語の対応チェック」⇒「客観的な視点での読み直し」と段階を踏んで行うのが一般的です。しかし、今はあまり気にする必要はありません。このトレーニングは、最難関(御三家・国立)志望者レベルであっても小5の夏休み明け以降、普通は小6の夏から行います。
実は「解答の読み直し」よりも「設問文の読み直し」の方が重要なのです。①でも書かせていただきましたが、一番重要なのは「何を問われているか」をきちんとつかんだ上で、それに対してストレートに答えることです。問われていることからずれてしまったら、正しい解答になるはずがありません。もう一度設問文を読み直すことで、自分の書いた解答がそれに合ったものかどうかを考えるクセをつけておくのがよいでしょう。
さて、最後に小3小4段階で身に着けておくべき内容について書かせていただきます。①~⑤までの手順の中で、①と③の過程に関しては、今から意識して取り組んでおくと良いでしょう。①に関しては国語解法の基本となる部分ですから、なるべく早いうちにしっかりと読む習慣をつけるようにしてください(前回の記事に書いたとおり、線を引く習慣をつけるのもよいと思います)。③については、探すべき言葉がありそうな場所を見つけるようにするのがポイントです。小3生の方は、予習シリーズの「ワークシート」はそのトレーニングをするのに適した教材です。
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