『失敗することで身に付く問題解決能力』
2013.11.06
「全国統一小学生テスト」が終わりました。若干難しめの問題も含まれていましたが、各学年とも良いテストだったと思います。お子様によっては、算数などで「習っていない問題が出た」とおっしゃっている場合もあるかもしれません。しかし多くの場合、よく見てみると知っている知識の組み合わせで解くことができます。見たことがない問題に対して、お子様は「習っていない」と表現することがあるのです。
実は、この見たことがない問題への対応力が、中学受験ではとても大切になります。ある難関校の学校説明会に参加したとき、算数の入試問題を作問されている先生が、「なるべく受験生が見たことがない問題を出すようにしています」とおっしゃっていました。
最近よく「問題解決能力」という言葉を耳にします。社会に出てからも必要な力ですが、知っている知識を使って解決するだけでは、「問題解決能力」があるとは言えません。自分で問題を分析し、解決に向けての正しい筋道を見つけることが、本当の意味での「問題解決能力」を身に付けることにつながるのです。その過程の中で、正しいと思っていた筋道が間違っていることに気付き、スタート地点に戻って考え直す必要がでてくるかもしれません。
実はこの失敗の経験こそが次の成長につながるのです。なぜなら、一度間違えた選択肢を、次は選ばないようになるからです。
すでに分かっているただ一つの正しい筋道をなぞってゴールにたどり着くよりも、いくつもある選択肢の中から自分で選び、さらにその選択肢が誤っていた場合は、再度選び直して正しいゴールにたどり着ける力こそが、お子様の将来に必要なのです。「受験生が見たことがない問題を出したい」と言う学校は、お子様のそんな力を試したいんだと思います。
さて、初見の問題にどう対応していくかは、お子様の性格やタイプによっても異なります。分かりやすい例で申し上げれば、スマートに解こうとするタイプと力技でグイグイと解こうとするタイプ、といった感じでしょうか。そして、入試問題にも学校ごとにそのような特徴があります。お子様の思考タイプに合った出題をする学校が、お子様に合った学校と言えるのではないでしょうか。
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