「サンタクロースを信じています...」
2013.11.27
次の日曜日はもう12月。街を彩るクリスマスイルミネーションも目立つようになってきました。一年が経つのは本当に早いなぁ、と思いながら、今回はクローバーセミナーのアンケートに書かれていたご質問にお答えします。
息子はまだサンタを信じています(私は小1のときにはいないと知っていたのに...)。ちょっと大丈夫かしらと心配になっています。いつ本当のことを教えたらよいでしょうか。(小4・男子)
このアンケートを読みながら、私はいつまで信じていただろう、と少し考えてしまいました。
今でもサンタクロースがいると信じている、そのこと自体は決して悪いことではありません。成長していく過程で、本当のことを知るときがくるはずですし、そのことだけを取り上げて精神的な成長が遅いとも言い切れないはずです。
ご家庭の中でクリスマスという行事を大切にし、お子様もサンタクロースからのプレゼントを毎年楽しみにしているのであれば、サンタクロースに対する思い入れは強くなり、その存在を疑わなくなるのは自然なことです。
「いつ教えたらよいのか」というご質問に対しては、「お父様・お母様からあえて教える必要はないのでは」というのが私からの答えです。きっと、どこかのタイミングでサンタクロースの存在についての疑問はお子様の中にわいてくるはずです。その疑問をどのような形で解決するかは、それぞれのお子様によって違うはずです。直接的に「サンタさんって本当はいないの?」と聞いてくるお子様もいるでしょうし、自分の中だけで理解し納得するお子様もいると思います。いずれにせよ、いつかは理解し、そしてサンタクロースからのプレゼント(だと思っていたもの)の裏に隠された、ご両親の愛情に気がつくときがくるはずです。
12月の小学生の授業でも、たまにクリスマスやサンタクロースの話題が出ることがあります。
「サンタさんに手紙書いたんだよ。今年は○○がほしいって。」
「えっ? 何言っているんだよ。サンタクロースなんてお父さんに決まっているじゃん。」
このような会話になるのですが、そのとき私は決まって「サンタクロースはいるよ」と答えています。「信じている人のところには今年もちゃんと来てくれるはず。信じていない人のところには来てくれないよ。」と答えることにしています。
「じゃあ、先生は信じているから、来てくれるの?」
「いや、大人になると...来てくれないんだ...」
中学校1年生のときだったと思います。もちろん当時の私はサンタクロースは信じていませんでした。クリスマスの日の朝、起きてみると枕元に赤と緑のクリスマス模様の包み紙が置いてあったので、びっくりしたのを覚えています。確かその前の年くらいから、そのような形でプレゼントを渡されることはなくなっていたので、あわてて開けてみたところ、一冊の本が入っていました。城山三郎さんの「落日燃ゆ」のハードカバー本でした。パラパラとめくってみたのですが、当時の私にはとても難しく思えました。それは父からのプレゼントでした。自分が読んで面白いと感じた本を私にも読ませたいと考えたのでしょう。
すぐには読めませんでしたが、これまで何度か読みました。実はその色あせた本を今でも大切にとってあります。当時の父と同じくらいの年齢になった今、父の気持ちが少しわかるような気がします。今年のクリスマスにもパラパラとめくってみようかと考えているところです。
- 2017.07.07 『この夏を成功させる5つの方法 ~第2回クローバーセミナーより~』
- 2017.07.05 『夏をなめるな。』
- 2017.06.30 「国語の学習に関して③ ~記述力・表現力~」
- 2017.06.28 「国語の学習に関して② ~読解力とは~」