『なんで、間違えたの!?』
2014.05.21
前回に引き続き、今回もお子様への言葉かけについて書かせていただきます。テーマは、「なんで、間違えたの?」です。
先日(5月10日・11日)、各学年の必修テストが実施されました。小3は「マンスリーテスト」、小4以上の学年の皆様は「YT組分けテスト」をご受験いただいたことと思います。2月の新年度開講からは約四か月が経過し、ゴールデンウィークも終わり、「そろそろ成績面でも結果が出てきてくれるはず」と期待してテスト当日、お子様を送り出されたことでしょう。ところが、成績表を見ると...、という方もいらっしゃるはずです。精神的な成長過程にある小学生の場合、がんばった結果が数値として表れてくる時期には個人差があります。努力がすぐに結果(偏差値や得点)に反映されれば安心できるのですが、そのようにいかないケースも多いはずです。実際にテストを受けているお子様は、間違えてしまった問題でも途中まではできていたとか、その場ではできなかったけれど解説を聞いて理解することができたとか、ある程度の手ごたえを感じているので、たとえ数値結果が良くなかったとしても焦ったりすることはあまり多くはないのですが、保護者の皆様は数値だけで判断してしまうため、焦りや不安を感じてしまうのです。
そんな心理状態のときについお子様に投げかけてしまうのが、「なんで、間違えたの!?」という言葉。「こんな点数では許せない!」というような直接「非難」するような言葉は、お子様の気持ちを考えて絶対に使われないと思うのですが、お子様にとっては、実はどちらの言葉も同じようなニュアンスで伝わってしまっているのです。
テストの問題を間違えようと思って解くお子様はいないはずです。ですから「なんで、間違えたの!?」と聞かれても、お子様は困ってしまうだけなのです。答えられない質問を投げかけられることで、間違えた自分を否定されたように感じてしまうこともあるでしょう。そして間違えることに対して必要以上の不安や恐怖を抱き、解答に自信が持てない場合は書かずに空欄にしてしまったり、テストを受けることそのものが嫌になってしまったり、ということにつながってしまうケースもあります。
もちろん、解き直しをさせて、間違えた箇所を見つけさせ、同じミスを繰り返させないようにしていくことは大切です。そのためには、頭ごなしに「なんで、間違えたの!?」と問いかけるのではなく、「解き直しをして間違えたところを見つけてごらん」というアドバイスが必要になります。
親子ですから、ときには感情的な言葉を投げかけてしまうこともあるでしょうし、ある意味でそれは必要なことでもあります。お子様は誰しも親から期待されていると感じています。と同時に、その期待に応えられないようなテスト結果をとってしまったことに対する申し訳なさも感じているはずです。その点においては、ある程度、感情的な言葉がお父様やお母様から投げかけられたとしても、理解し納得もします。しかし、感情的な言葉だけが続いてしまうと、お子様の学習に対するモチベーションを低下させてしまうこともありますので注意が必要です。
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