『読解問題が苦手な方へ』
2014.09.17
一学期に実施した『クローバーセミナー』のアンケートに『娘は国語が苦手で、いつも読解問題をやりながら「どうやって解けばよいのか分からない」と言っています。どうすればよいでしょうか』というご質問が書かれていました。
国語は他の科目と性質が違うため、苦手とする生徒が多くいます。中には「算数は正解がひとつしかないけれど、国語は複数ある」と思っている生徒もいます。しかし、それは半分正しく、半分は正しくないのです。確かに国語の記述では「部分点」がつくこともありますし、自分の意見を書かせる問題などでは、答えが複数あるように感じることもあるでしょう。しかしそこには、はっきりとした採点基準があり、算数と同じように厳密に「○」「×」がつくのです。その点では他の科目と大きな違いはないはずです。つまり、「○」がもらえる国語の採点基準を理解することができれば、正解にたどりつけるわけです。
では、国語と他の科目の違いとはどこにあるのでしょうか。それは「考えた過程」がはっきりと分かるかどうかだと私は思います。算数においては、問題文を読むところから答えを出すまでの「考えた過程」が、図や式を見ることではっきりと分かります。
一方、国語の選択肢問題を解く場合、どのように考えて解答に至ったかを後で確認することがなかなかできないのです。そのため、国語の勉強の仕方がよくわからないという生徒が多くいるのです。文章を読むときに、なんらかの形で考えた(読んだ)過程を残しておきたいと思う生徒は、読みながら文章に線を引いたり、印をつけたりすることもあるようですが、効果的な形で実行できているケースは少ないようです。
まずは、線を引いたり、印をつけたりしなくても構わないので、じっくりと読んで文章全体を頭に入れる学習から進めるとよいでしょう。私が国語を苦手としている生徒によく勧めるのは、塾で扱った過去のテキストの文章を「解く」ためではなく、単純に文章として「読む」学習です。一度扱った文章ですが、多くの場合、書かれていた内容は頭に入っていないはずです。
次に、問題を解くときには本文中のどこを根拠にして、その答えを選んだのか(考えたのか)をはっきりさせるトレーニングをしてください。選択肢問題の場合、たとえそれで間違えたとしても構わないのです。自分はこう考えたけれどここのところで間違えた、という見直しができるようになってくれば、次に同じような問題が出題されたときに必ず生きてくるはずです。記述の問題であれば、いきなり文章としてマス目を埋め始めるのではなく、書き込むべき要素を書き出してからまとめていくようにするのもひとつの方法でしょう。
いずれにせよ、国語の問題を解くときの自分なりの解答フォームができてくれば、国語の学習に対する苦手意識が少なくなり、それに伴って成績も向上してくるはずです。
さて、明日からいよいよ『全国統一小学生テスト』の受付が始まります。早稲田アカデミーにお通いの皆様には、来週中に各校舎よりご案内をお渡しいたします。こちらのホームページでも明日から概要をご確認いただけます。この秋の「学習の最大イベント」として、ぜひご予定を空けておいていただければと思います。
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