『「フォンウォン」と「カンムリ」』
2014.09.24
台風16号の被害について、テレビなどで報道されています。広島県の土砂災害、北海道の集中豪雨などのニュースを見ると、「水」の災害は本当に恐ろしいと思います。被害に遭われた方にお見舞い申し上げるとともに、皆様もご注意ください。
台風16号に次いで、台風17号が発生した模様です。実はこの台風16号が「フォンウォン」で、台風17号が「カンムリ」という名前なのです。台風の名前というと「英語の女性の名前」をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、それはアメリカの台風(ハリケーン)の呼び方です。アメリカでは日本のように台風に番号をつけずに、女性の名前をつけるのが一般的だったそうです。ただ、男女同権の考え方からいまでは男性名・女性名が交互につけられているようです。これにならって2000年に、アジア地域でも統一的な呼称をつけるようになりました。北西太平洋もしくは南シナ海で発生した台風に関しては、周辺の14の加盟国がそれぞれに提案した名前を順番につけていくという形になっています。一つの加盟国で10個の名称を提案しているので、全部で140個の名称があります。国ごとに提案されている名前にさまざまな由来があるので、見ていると興味がわいてきます。「人名」をつけている国もあれば、「植物」や「果物」、「動物」の名前をつけている国もあります。ちなみに台風16号の「フォンウォン」は香港から提案されている名前で、香港にある「鳳凰山(フォンウォン=英名フェニックス)」からとられた名前だそうです。その次の「カンムリ」は日本が提案した名前だそうですが...。
日本が提案している名前は次の10個です。
「テンビン」「ヤギ」「ウサギ」「カジキ」「カンムリ」「クジラ」「コップ」「コンパス」「トカゲ」「ハト」
何の名前かおわかりでしょうか。実は日本における星座の呼び方だそうです。「てんびん座」「やぎ座」などは星占いなどでもなじみがありますが、「コップ座」「コンパス座」などは耳慣れない方も多いと思います。
雑学的な要素の強い内容になってしまいました。中学入試に必要となる知識ではありませんが、身近な事柄に興味を持って調べてみるという点では、お子様方にお話しいただいてもよいかもしれません。なお、詳しくは気象庁のホームページに記載がありますので、よろしければご覧ください。
ここまで書かせていただいた台風についての雑学的知識については、実際に私がいままで知っていたことばかりではありません。今回のブログを書かせていただくにあたり、調べた内容も多くあります。もちろんインターネットで調べたのですが、「台風 名前」と入力して検索するだけで、すぐに多くの情報が得られました。私の子供のころにこれだけの内容を調べようとすれば、図書館に行ってさまざまな文献にあたらなければならなかったでしょう。書物を次から次へと確認し、目次をチェックし、該当ページを斜め読みし...。少なくとも半日以上はかかっていた作業のように思います。
そう考えると、本当に「情報・知識」は気軽に手に入る時代になったと思うわけです。これからの時代は「どれだけの知識や情報を持っているか」ではなく、「必要な情報を、正確に素早く手に入れる手段がわかる」こと、さらに「手に入れた情報を使いこなす」ことが大切になるということをあらためて痛感しました。
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