『根拠のない自信 ~第3回クローバーセミナーより②~』
2014.10.17
前回は、クローバーセミナーでお話しした「やる気→努力→結果」の循環について書かせていただきました。この循環がうまく回っている間はよいのですが、思うような「結果」が出なかったとき、さらにそれが続いたときに立ち直るには、お子様自身がある程度「ポジティブ」であることが必要になってきます。今回はその点について書きたいと思います。
「先生、なんかうちの子、『根拠のない自信』を持っているんですよね...」、そんなご相談をいただくことがあります。そのご相談は、「根拠のない自信を持っているので、コツコツと努力することが苦手なので困っている」という主旨だったのですが、そのとき私は「子どもはみんな『なんとなくの自信』を持っているので、それ自体悪いことではありません」とお答えしました。この「なんとなくの自信」は、「自己肯定感」と置き換えることができます。
「やればできる」という言葉には賛否両論があります。「やればできる」と思っていても、やらなければできないのだから意味はないとか、誰だって「やればできる」んだから、要はやるかやらないかだとか...。人によってさまざまな意見があると思います。私の考えは、「小学生のお子様が『やればできる』と思うことはとても大切だ」です。逆に考えてみましょう。もし「やればできる」と思えなかったら、「自分はやっても無理だ、できない」と考えてしまうことになります。これでは困難なことにチャレンジできるようにはなりません。
「自分はやればできる」、とお子様が思えるかどうかは、周りの大人の接し方次第です。まずは保護者の皆様が、お子様に「自信」を持たせてあげることが大切なのです。それもテストや勉強の結果ではなく、お子様の存在そのものを高く評価してあげることで。逆に、小学生の間に短所や悪い面ばかりを指摘され続けると、この「自己肯定感」が薄れてしまいます。そうなると、ひとつの失敗で自分のすべてが否定されたような気持ちになり、立ち直ることが難しくなってしまいます。小学生の間だけではなく、中高大の学生生活においても、さらには社会にでてからも大きなマイナスの影響を与えてしまうことになります。
テストの得点が悪ければ指摘し、場合によっては注意をすることも必要ですし、悪いことをしたならば叱ることも大切です。それらの行為について、臆病になることはありません。ただ、その根底には「お子様を信じる気持ち」が絶対に必要です。それさえあれば、お子様の「自己肯定感」が損なわれることはありません。
ときには特別な理由がなくても、お子様に「大丈夫よ」「あなたはやればできるんだから、がんばってね」というようなお声がけをしていただくのもよいと考えています。
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