「『おどり字』をご存知ですか?」
2014.11.05
「お母さん、この字はなんて読むの?」と聞かれた指先を見ると『々』の文字。そんな経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか。
実はこの『々』は漢字や仮名ではなく、符号の一種で「おどり字」と呼ばれるものです。大人になると普通に使っていますが、初めて見る子どもにとっては不思議に思うはずです。そして、先生が教科書を読むのを聞いていて「あぁ、これは前と同じ言葉を繰り返すときに使うんだ」と理解したり、お友達などの名前(佐々木、菜々子など)を見てなんとなくわかってきたりするものです。
少し余談になりますが、この『々』をパソコンなどで入力するときは、どうすればよいかご存知ですか? もちろん「山々」などと入力し、「山」の部分を削除することで出すことはできます。ただ、この文字だけを入力する場合は...。実は、「くりかえし」と入力し変換することで出すことができるのです。漢字を繰り返す場合の『々』、ひらがなを繰り返す場合の『ゝ』、カタカナを繰り返す場合の『ヽ』なども、併せて出てくるのですが、ひらがなやカタカナのものは現在ではほとんど見かけなくなりましたね。ソフトによっては「おなじ」「どう」と入力しても変換されるようです。面白いのは「ノマ」と入力しても変換されるものがあることです。私のパソコン(ワード)では変換されなかったのですが、スマートフォンでは変換されました。『々』の形が、カタカナの『ノ』と『マ』をつなげた形に見えるからだそうです。
原稿用紙に書く場合、『々』は行頭にきてはいけないというルールがあるので、「国々」であれば「国(改行)国」と書かなければいけないのですが、これが中学入試の答案用紙のマス目となるとまた話は変わってきます。原則として、入試問題では「文中の表記にしたがって書く」ことになっていますし、また答案用紙のマス目は字数を数えるものであり、原稿用紙とは異なるものなので行頭にきてもかまわないというのが一般的な考え方のようです。
以前の記事で、「身近なことに興味を持つことが大切」「テキストに書いてあることだけではなく、周辺知識にも興味を」というようなことを書かせていただきました。この『おどり字』もそんなことの一つです。お子様とのちょっとした会話の中で触れてみていただくのもよいかもしれません。
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