『全国統一小学生テストを終えて...』
2014.11.07
今週の月曜日(11月3日)に「全国統一小学生テスト」が行われました。お子様は受験されましたでしょうか。今回も多くの方が受験されたようで、「学力の全国大会」という規模にふさわしいテストでした。結果が気になっていらっしゃる方も多いことと思いますが、正式な帳票返却は来週末の予定になっていますので、それまでお待ちください。
そこで今回は、「全国規模」で行われるテストの成績帳票を見るときの留意点を2つ書かせていただきます。
①母集団が「中学受験を目指している生徒だけではない」ということ
母集団の平均点が偏差値50という値になりますので、テストの母集団が変われば、偏差値もそれに伴って大きく変わってきます。たとえば、首都圏全体で行われている大規模な志望校合格可能性判定模試(四谷大塚の「合不合判定テスト」など)は、中学受験を考えている全生徒が受験対象となっています。この模試で偏差値65をとった生徒が、開成志望者のみを対象とした模試を受験すると、多くの場合、偏差値は大きく下がってしまいます。
『全国統一小学生テスト』の母集団は、首都圏の中学受験を目指している生徒の層とは異なります。このテストにチャレンジしてみようとお考えの方ですので、「全国の小学生全体」という母集団よりもかなりレベルは高いはずです。しかし、『早稲田アカデミーのテスト』や『四谷大塚の模試』の母集団の層と比較をすると、その層はかなり広くなります。その点を考慮して、偏差値をご覧いただければと思います。
②素直で標準的な問題で構成されている
上記のような母集団が受験するテストなので、中学入試に向けた学習をしている生徒にしか解けない難問ばかりが出題されているわけではありません。どちらかというと標準的な問題、中学受験のための勉強をしていなくても「しっかりと考えれば解ける」問題が中心となっています。
たとえば小3の問題は、算数・国語ともに、素直で標準的な「良問」でした。四谷大塚の問題作成目安としては、小3の平均点は60%になっています。150点満点のテストですから、平均点が90点になるように作られているわけですが、今回の小3テストに限って言うと、もう少し平均点は高くなるのではないでしょうか(算国とも95点~100点前後くらい...)。平均点が比較的高く出てくるテストの場合、逆に高い偏差値は取りにくくなってしまいます。また、ひとつのミスが偏差値に大きく影響してきますので注意が必要です。
上記のような点にご留意いただき、返ってきた帳票をご覧いただきたいのですが、単に得点や偏差値だけではなく、設問ごとに全体の正答率を確認することも必要です。全体正答率が比較的高い問題を間違えていた場合、その原因がミスによるものなのか、もう少し深いところにあるのか、そんな見方をしていくことが大切なのです。早稲田アカデミーにお通いの方は、担当講師が分析し、その他のテストや授業内での様子、普段の宿題の完成度などもあわせて、二学期末の「個別面談会」で新年度に向けた課題や対策をお話しさせていただきます。塾生以外の方には、「全国統一小学生テスト結果分析」とそこからの学習アドバイスをさせていただく「個別カウンセリング(学習相談)」を行っていきますので、ぜひご活用ください。
今回の『全国統一小学生テスト』は「結果を評価するテスト」ではなく、「新学年へ向けたテスト」とお考えいただき、現学年中に解決しておくべき課題の発見、そして来年二月からはじまる新学年の学習の方向性を決めていく「きっかけ」としてください。
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