『プレゼントを贈る楽しみ』
2014.12.17
ノーベル賞の授賞式・晩餐会などの様子をテレビでやっていました。私は、そこに映っていたスウェーデンの首都ストックホルムの市庁舎を、実は少し懐かしく見ておりました。もうかなり昔のことになりますが、両親が仕事の関係でストックホルムに住んでおり、借りていたアパートメントが、ちょうどその市庁舎の真裏だったからです。当時大学生だった私は、長期の滞在をしたわけではないのですが、夏休みや冬休みになると両親を訪ねてストックホルムに行っていました。市庁舎の地下にあるレストランでは、予約をすると実際にノーベル賞の晩餐会で出された料理を食べることができます。私は川端康成がノーベル文学賞を受賞した年の料理が食べたいと思ったのですが、材料調達などの関係で違う年の料理になってしまいました。
ストックホルムでのクリスマスは、日本と比べると静かな印象です。イブには教会のミサに参加される方が多いのですが、お店などはほとんどが閉まっています。ヨーロッパでのクリスマスは、家族でいつもよりも少し豪華なディナーを楽しみ、プレゼントの交換をするようです。
数年前のクリスマスの時期、確か土曜日のテストのときだったと思いますが、帰り際にある生徒が話をしてくれました。「今日はこれからおじいちゃんとおばあちゃんにあげるクリスマスプレゼントを買いに行くんだ。今年は私が選ぶの」とうれしそうに。「何にするの?」と聞いたのですが、「うーん...わかんない。見てから考える」と校舎の外でお待ちのお母様のところへ走っていきました。
誰かのためにプレゼントを選ぶというのはとても楽しいことだと思います。自分がもらうよりも、誰かのために選んでいる時間の方が本当は楽しいのではないでしょうか。そして、そのときの気持ちや思いは、お子様の心を豊かにし、精神的な成長を促すはずです。低中学年のお子様の場合、「自分はこれが欲しい」というところから考え始めるかもしれませんが、いろいろと見ていくうちにそれをもらった人のことを考えるようになっていきます。自分とは年齢や生活している環境が異なる人に喜んでもらうために、その人に思いをはせながら、さまざま考える...そのような経験をすることは、将来のために非常に大切だと思います。そう考えると、例えば一緒に住んでいないおじい様やおばあ様へのプレゼントを考えさせるということは、とても素晴らしい子育て法だと感じました。そして、自分が選んだプレゼントを喜んでくれた人との絆はより強くなることでしょう。
ノーベル賞の授賞式を見ながら、もうひとつ感じたこと。それは近い将来、早稲田アカデミーの卒業生が受賞する日が来るだろうな...ということです。すでに早稲アカ卒業生は様々な分野で活躍されている方がいらっしゃいます。10年後、20年後、30年後...、いつになるかはわかりませんが、きっとその日は来るでしょう。そのときに私がどうなっているかはわかりませんが、12月に行われる授賞式でその姿をテレビで見たとき、きっと私にとっては人生最高のクリスマスプレゼントになるはずです。今からその日がとても楽しみです。
- 2017.07.07 『この夏を成功させる5つの方法 ~第2回クローバーセミナーより~』
- 2017.07.05 『夏をなめるな。』
- 2017.06.30 「国語の学習に関して③ ~記述力・表現力~」
- 2017.06.28 「国語の学習に関して② ~読解力とは~」