四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『わからなかったり、間違えたりすると、機嫌が悪くなります』

2015.03.18

今回も、『基礎から学べる中学入試報告会』のアンケートにお書きいただいたご相談にお答えします。


「テストや宿題で、できない・わからない・間違えたで、やる気をなくしたり、機嫌が悪くなったりします。そのような場合、どのような声掛けや対応をすればよいかアドバイスをお願いします」(小4男子)


小3から小5くらいまでのお子様をお持ちのご家庭では、多かれ少なかれ経験されるお悩みだと思います。上記のご質問以外にも「最近、なんでも反抗してきます。学習するときにも一つひとつの課題に文句を言うので...」といったご相談もありました。


うまくいかないことがあると機嫌が悪くなるのは、親に対する「甘え」の一つだとご理解ください。学校や塾で問題が解けないからといって、先生に対してふてくされたりすることはまずないはずです。しかし、ご家庭では...。精神的な成長過程を考えると、幼児から小学校低・中学年までのお子様が、まず意識するのは親であり、周りの近しい大人だといわれています。特に親からの評価が一番気になる時期ですから、解けない問題があったり、答えを間違えてしまったりしたときに、親に対してどのように振る舞うべきか困ってしまうのです。もちろん、問題が解けなかったのですから、よい評価を受けるわけはないことはわかっています。しかし、「今回は解けなかったけれど、ここを復習すれば次回はできるようになるはずだから、自分はがんばってここの勉強をやり直します」、そんな風に表現することは、もちろんできません。というよりも、そんな風に話をする小学生がいたら、それはそれで少し心配になってしまいます。一通り終わった宿題をお母さんに持って行ってマル付けをしてもらったら、間違えていた問題が思ったよりも多かった。そこで、機嫌が悪くなったり、ふてくされたりするのはある意味当たり前の反応でもあるのです。


ではそのようなときにどうすればよいのでしょうか。私は「放っておく」ことをお勧めしています。「放っておく」という言葉がよくなければ、「黙って見守っておく」と言い換えてもよいでしょう。そのタイミングでなにか言葉をかけても、感情的になっているお子様には素直には通じないはずです。機嫌が悪くなっているのであれば、「できなかったことを悔しく思っている」わけですから、それは逆の言い方をすればとてもよいことなのです。「できなくて悔しい」、だから「もっと勉強しなければ」という気持ちも当然お子様の中に存在しているはずです。そのようなときに、お子様が感じていることを改めて親から指摘されてしまうと、さらに機嫌が悪くなってしまうことにもなりかねません。私は、お子様の「できなくて悔しい」という気持ちを尊重していただくには、「見守っておく」というのがよい方法だと考えています。


小学校高学年になると、意識の対象は大人から、自分の周りにいる友人やライバルに移ってきます。そうなると、できなかったからといってすぐに機嫌が悪くなったりすることはなくなります。しかし、本当の意味で気をつけなければならないのは、ここから先になるのです。

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