『わり算の大切さ』
2015.03.27
首都圏でも桜が咲き始めたとニュースでやっていました。今週末から来週にかけて、見ごろを迎えるとか。春期講習会の授業が終わった後、近くの公園までお散歩に、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も昨年は、吉祥寺校で授業をした後、都内の桜の名所の一つである井の頭公園に寄り道をしたのを思い出しました。今年は錦糸町駅の前にある錦糸公園に行ってみようかと思っています。毎年、この時期の記事では桜について触れさせていただいています。ご興味をお持ちの方は、過去記事もぜひお読みください。
さて、今回は算数の「わり算」について触れさせていただきます。早稲田アカデミーのカリキュラムでは、ちょうどいまの時期に、小学校3年生で「わり算」の学習を行います。2~3月中の授業で2回ほど扱い、この春期講習会で復習をしているところです。これから算数を苦手にしないために、「わり算」の意味をこの時期にしっかりと理解しておくことが必要です。
「わり算」には大きく2つの意味があります。たとえば「100÷4」という式には、「100を4つに分ける」と「100の中に4はいくつあるか」という2つです。この2つの意味をしっかりと使い分けると、「わり算」そのものに対する理解も深まりますし、直接的には暗算する(頭の中で数字を理解する)こともできるようになります。
もう少し具体的に説明しましょう。一般的に「割る数」が小さければ、「分ける」という考え方をする方がわかりやすいはずです。逆に「割る数」が大きくなると、「いくつあるか」という考え方の方が理解しやすいでしょう。「120÷4」の場合、「120の中に4がいくつあるか」よりも「120を4つに分ける」と考えた方がイメージしやすいはずです。一方で、「120÷20」の場合は、「120を20個に分ける」と考えると理解しづらいでしょう。
そして、この「●●の中に▲はいくつある」という感覚をしっかりと持つことが、これから算数を学習していく上でとても役に立つのです。わり算の学習をはじめたばかりであれば、九九の逆算でかまいません。「52÷7」の場合、「7の段の九九」を順番に考えて、「7×6=42、7×7=49、7×8=56...。7と8の間だから商は7で、あまりは52‐49=3...。」、はじめはこんな風で構いません。しかし、この方法では時間がかかりますし、数の感覚も養われません。学習をする中で、パッとひらめくようになってこなければならないのです。「52の中に7はいくつくらいある?」と聞いたときに、いちいち九九を思い出すのではなく、「7個か8個くらい!」という答えが返ってくるように、お子様を導いてあげてください。ここで大切なのは、正確ではなくても大体のイメージができるかどうかです。「52の中に7はいくつ?」に対して、「うーん」と止まってしまったり、「3個くらい」とか「10個くらい」とか、的外れな答えになってしまったりというのは、数感が未熟なのかもしれません。数量を線の長さで表す「線分図」の学習などに、この感覚はつながっていきます。ぜひ、早い段階でしっかりと身につけさせたいところです。
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