「お子様の『ベストパフォーマンス』」
2015.05.01
「ベストパフォーマンス」という言葉を耳にしたことはありますか。「ベストパフォーマンスを発揮する」というような使われ方をする言葉です。私も研修などでは、「毎回『ベストパフォーマンス』が発揮できるようにしっかりと準備をして、授業に臨みなさい」と講師たちに伝えています。
小学生のお子様が、学習に対して「ベストパフォーマンス」を発揮するのは、どのようなタイミングでしょうか。もちろんすべての学習機会において、最高の集中力と気合で臨めればよいのですが、それは無理な話です。
早稲田アカデミーの授業は、「私語のない緊張感のある授業(とは言ってもシーンと静まり返った状態というのではなく、集中して生徒全員が頭を回転させられる状態)」を実践し、講師の講義や問題演習に集中して取り組ませています。家庭学習において、同じレベルでの「集中」を望むのは小学生のお子様にとっては難しいことだと思います。しかし、その授業以上にお子様が集中力を発揮するのは、テストの問題を解いているときです。
話は変わりますが、私は小学校1年生から6年生までスイミングクラブに通っていました。当時は今ほど多くのスイミングクラブがなかったこともあり、私でもかなり上位の成績を残すことができ、九州で行われた全国大会に出場したこともあります。
月曜日から金曜日の夕方に練習し、毎回タイムも図っていました。しかし、自己最高記録を更新するのは、必ず日曜日に行われる「記録会」だったのを覚えています。練習だからといって決して手を抜いていたつもりはないのですが、最後まで練習でベストタイムを出すことはできませんでした。そして、一度「記録会」で自己ベストを塗り替えると、不思議なもので、次の練習からは「それまでの記録」は楽々と越えられるようになったのです。「ベストパフォーマンス」を発揮することで、それまでできなかったことができるようになる。その時点でそこまでの「壁」を越える、そんなイメージでしょうか。
お子様の学習に置き換えてみます。授業で習った内容は「わかった」つもりでお帰りになるはずです。しかし、ご家庭で宿題を進めていると、易しい問題はできても、難しい問題になると「わかってはいるけれど自分では解ききれない」という状態になることがあるはずです。テストで真剣に問題に取り組むことで、その壁を越えることができるのです。「テストになったからといって、今までできなかった問題ができるようになるはずはない」というのも、一方では正しいと思います。特にそれが高校生以上の場合はそうでしょう。
しかし、小学生の場合は、精神的成長の途上にあります。気持ちの面においても、ムラもあれば、甘え(依存心)も残っています。その気持ちも含めてベストな状態でテストに臨むことができれば、それまでできなかった問題でもできる瞬間があるはずです。そしてその瞬間がお子様を一歩成長させるのです。
ゴールデンウィーク明けには、各学年で必修テスト(マンスリーテスト、YT組分けテスト)が実施されます。「ベストパフォーマンス」が発揮できるように、ご家庭でもお声をかけてあげてください。
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