「書く力を高める」
2015.09.04
最近、大学入試改革のニュースなどでも「記述力」「表現力」「書く力」がキーワードとして取り上げられることがあります。学んだ知識や自分で考えた意見を相手に伝えるためには、表現することが当然必要です。特にこれからの時代は、きちんとした文章というよりも、分かりやすい文章を書く力が求められるようになる、と私は考えています。
長年、小中学生に国語の指導を行ってきた経験を通じて分かったことがあります。それは、『自分で書くことができなければ、他人が書いた文章を読むことはできない』ということです。稚拙な文章しか書くことができない人の多くは、レベルの高い文章をしっかりと読んで理解することはできなのです。(あくまで私のイメージなのですが)読んで理解ができる文章のレベルは、概ね自分が書くことができる文章の一段階上くらいまでだと思います。たとえば、中学生レベルの文章が書けるのであれば、高校生レベルの文章まで読みこなせる...というイメージです。このように、「書く」ことと「読む」ことの間には強い相関関係があるのです。
では、小3・小4の段階ではどのように「文章を書くトレーニング」をすればよいのでしょうか。実はこの頃、「書く」ことに対しては、お子様によって大きな差があるのです。意外に思われるかもしれませんが、テストなどで良い成績を取るお子様が、必ずしも上手い文章を書くというわけではないのです。なぜなら、小4までのテストは「覚える」ことである程度点数が取れてしまうからです。しかし「書く」ということは、前述したように、高いレベルでの思考過程が身に付いていなければ、なかなか結果はでてこないのです。
今回のテーマである「文章を書くトレーニング」は、国語の記述問題で「マル」をもらう学習とは異なります。小4までの記述問題は「本文中から必要な言葉を探し出して、うまくまとめる」というスタイルで解くことができる場合が多いので、「書く力」を高めるというところからは少しズレてしまいます。
一番よい方法は、「書く」トレーニングをなるべく継続することです。「日記」でもかまいませんし、「読書ノート」でもかまいませんが、3日坊主にならないように、お子様が無理なく継続できるものにすることが大切です。もちろん毎日である必要はありませんし、長い文章を書く必要もありません。お子様自身が負担に感じてしまえば、逆効果にもなりかねませんので、その点にもご留意ください。
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