「いくら長生きしても、最初の20年こそ人生のいちばん長い半分だ」
2015.09.30
明日(10月1日)から、四泊五日の日程で海外の提携塾が主催する講演会に行ってまいります。海外講演会には毎年行っているのですが、今年はマレーシアのクアラルンプールとインドネシアのジャカルタの2都市で話をさせていただくことになっています。10月1日は成田からクアラルンプールまで行き、到着したら現地スタッフとの打合せ。翌2日に講演会を実施します。3日はクアラルンプールからジャカルタまでの移動。到着後すぐに打ち合わせを行ない、翌4日に講演会を行います。翌早朝(午前4時)に帰国の途につく、という弾丸ツアーです。校舎の職員から「お土産待っています」と言われているのですが、買う時間があるかどうか、というところで...。
さて、今回の2都市での講演会は、現地の進学塾(もちろん日本人のための)にお通いの小学生・中学生のお子様をお持ちの保護者の方が対象となっています。
前半では、受験のゴールとなる大学が求めている力、そして、こらからの社会で必要となる力についてお話しさせていただく予定です。後半では、小学生・中学生のそれぞれの成長段階において、どのように子どもに接すれば「やる気」を高めることができるのかなど、親の関わり方について考えていきます。そんな準備をしている中で、やはり「中学校選び」はとても大切だとあらためて感じました。
子どもの成長・発達に関しては、さまざまな観点からの切り口がありますが、他者と自分との関係性という観点でとらえると、大きく3つの段階に分けることができます。親や先生など、周りの大人からの影響を強く受ける幼児期から小学校低学年の時期、周りの同年代の友人や先輩からの影響が大きくなる小学校高学年から中学生にかけて、そして自分をある程度客観視したうえで、理想や目標をしっかりと見据えることができるようになる中学の後半から高校生にかけて、そんな3つの段階です。
たとえば、小学校3年生から4年生にかけては、まだまだ大人からの影響を強く受ける時期ですから、勉強についても「親や先生にほめられたい、認めてもらいたい」というというのが一番大きなモチベーションになるわけです。しかし、徐々に周りの友人のことが気になり始めてきます。当たり前ですが、ある日を境に突然成長・発達するわけではありませんから、小4から小5くらいのときには「〇〇ちゃんはすごいんだよ」と友人のことを気にしながら、それを親に話すということもあるわけです。そして中学生くらいになると、親とある程度距離をとるようになるため、会話もあまりしなくなったり、家族との関係よりも友人関係を優先させたりするようになります。
このように中学生になると、周りの友人からの影響を受けるようになるため、どのような環境で過ごさせるかが重要になってくるのです。私自身の経験からも、中学校・高校の友人は自分の人生にとても大きな影響を与えてくれているように思います。
進学する中学校を「選ぶ」ことができるというのは、そう考えるととてもよいことであり、大事なことでもあるのです。学校選びの話をする際には、大学進学実績という出口ももちろん大切なことではありますが、それよりも人生の中でとても重要な12歳から18歳までの6年間をどのような環境で過ごすかという点をしっかりと考えてください、とよく申し上げています。
ちなみに、今回のタイトルにさせていただいたのは、イギリスの詩人であるロバート・サウジーの言葉です。初めて聞いたとき、すでに私は40歳を越えていたこともあり、ドキッとした記憶がありますが「確かにその通りのような気もするなぁ」と思った次第です。人生の最初の20年の一番大切な環境を、しっかりと選んであげていただければと思います。
今週の金曜日(10月2日)のブログはお休みとさせていただきます。次回は来週の水曜日(10月7日)に更新させていただく予定です。
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- 2017.07.05 『夏をなめるな。』
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- 2017.06.28 「国語の学習に関して② ~読解力とは~」