『新学年を迎える前に』
2016.01.22
1月は「新学年へ向けた準備期間」と以前に書かせていただきました。今回は1月中にどのような準備を進めていけばよいのかを具体的にご紹介します。
「新学年準備」と聞くと、「どの単元をどのように復習しておけばよいのかしら」と思われるかもしれません。しかし、まずお考えいただきたいのは、学習内容面よりも生活習慣面です。家庭学習に必要な時間は、学年が上がるにつれて増えていきます。私は保護者会などで、一週間あたりの家庭学習時間を、小学校4年生であれば「6~8時間」、小学校5年生(クラスによって異なる)であれば「10~12時間」程度とお話しさせていただいています。もちろん、お子様の学習スピードや得意不得意によっても差が出ますし、集中力がどれくらい続くかによっても変わってきますので、上記の時間は「理想的」「標準的」なものとしてお考えください。新学年を迎える前の準備として、現時点でのお子様の一週間の生活状況(就寝時間や習い事など)を確認し、上記の時間をどの曜日のどの時間帯に組み込むかを考えておくとよいでしょう。
さて、家庭での学習を考えるときに、一番ご留意いただきたいのは、スタート時間です。決められた時間になってもなかなか「腰が上がらない」というご相談を受けることがよくあります。その対策のひとつとして、「学習する時間になったら、決められた場所に座って開始する」という目標を設定してみてください。できれば新学年となる2月からではなく、1月中にスタートしてください。1月中は、新年度からと比較をすると、宿題の絶対量は少ないはずですから、予定よりも早く終わると思います。しかし、やるべき学習(宿題)が終われば、そこで終わらせていただいてかまいません。繰り返しになりますが、重要なのは、スタート時間を守らせることです。
併せて、お子様が一番集中して学習できる時間帯がいつなのかも、観察しておいていただければと思います。「朝型」「夜型」などという言葉もありますが、それだけではありません。たとえば、習い事などで体を動かした後では、疲れて集中できないお子様もいますし、その逆のお子様もいます。また、お腹が空いているときの方がいいお子様もいれば、しっかりと食事をとった後の方が集中できるお子様もいます。新学年になって学習難度が上がれば、より集中して家庭学習に取り組むことが必要になってきます。特に難度の高い課題は、「お子様が集中できる時間帯」に行うことが大切です。
新しいテキストがお手元に届いていると思います。それを見ているだけでも、お子様は、「新学年ではがんばろう!」という気持ちになっているはずです。早稲田アカデミーでも「新年度オリエンテーション」などを実施し、お子様の「やる気」がより高まるようにしていきますが、ご家庭でも新学年に向けてお子様の気持ちを高めてあげてください。
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