四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『新年度土曜YT講座のスタートに向けて ~ケアレスミスと見直し~』

2016.02.05

早稲田アカデミーの小学部では、来週(2/8)から新学年としての授業がスタートします。お子様方は、新しい学年に向けて気持ちが高まっていることでしょう。毎年この時期(1月終わりから2月初め)のブログでは、新年度へ向けた気持ちのつくり方や学習計画の立て方などについて触れていますので、よろしければ過去の記事もご参照いただければと思います。新年度のお子様専用のカレンダーをつくったり、筆記用具を新しくしたりという、新年度に向けて気持ちを切り替えるための具体的なアドバイスも書かせていただいております。


これまで早稲田アカデミーに通っていたお子様にとっては、新学年カリキュラム(算数・国語)のはじめの部分は「復習内容」となるはずです。特に小3で「Compass」というテキストを使って学習していた方にとっては、小4の「予習シリーズ」は簡単に感じられるかもしれません。ただ、そこで油断をすると、その後壁にぶつかってしまいます。復習期間のうちにこれまで積み残していた部分をしっかりと整理し、次につなげることができるように、学習を進めていただければと思います。


さて、新年度から「土曜YT講座」を受講される方も多くいらっしゃると思います。 「土曜YT講座」は、テスト講座ですから、今回は「テストを受けるときのポイント」について、少し触れさせていただきます。「テストを受けること自体が学力向上につながる」という点に関しては、このブログやクローバーセミナーなどで何度かお話ししていますが、テストは、その受け方によっても、学習効果に差が出てくるのです。


ケアレスミスが多い、というタイプの生徒がいます。ケアレスミスとは、「考え方や解き方はわかっているのに、不注意のせいで正解とならない」というものです。このケアレスミスは、実は「頭の回転が速い生徒」によく見られる傾向です。回転が速いからこそ、頭の中で考えることが解答を書くという作業を追い越してしまい、字が汚くなって「0」と「6」を書き間違えたり、漢字を写し間違えたり、ということが起こるわけです。こういったミスが多いお子様に対して、低学年のうちはあまりやかましく「ミスをしないように」と言わないほうがよいでしょう。「作業上のミス」という小さな短所を克服するよりも、「頭の回転が速い」という長所を誉め、伸ばすことが大切だと思うからです。しかし、高学年になってくると、ミスを軽視するわけにはいかなくなってきます。


たとえば算数の場合、私は「問題を解き始めたら、なるべく1回で正解にたどりつくように」と指導しています。難関校の入試問題では、約分できない分数や桁数の多い数のように、正解が「きれいな数字」で出てこない場合でも、「間違っているかもしれない」と戸惑うわけにはいきません。制限時間が決まっている入試では、解き直す時間はほとんど取れないからです。つまり、途中で複雑な数字が出てきても、自分の解答力を信じるしかないのです。


「土曜YT講座」などのテスト講座は、学習内容を定着させることに加えて、こういった「1回で問題を解ききる」力を効果的に養うことができます。テスト講座受講にあたって心がけてもらいたいのは、「設問文」を丁寧に読むということです。よくあるケアレスミスに、問題文をよく読んでいなかったために条件を見落としてしまったり、設問からずれた答えを出してしまったり、というものがあります。つまりケアレスミスには、問題文をきちんと読めば防げるものが多いのです。保護者の皆様も、テスト前にはお子様に「問題をよく読みなさい」とおっしゃることが多いと思いますが、それは本当に大切なことなのです。


もう一つ、テスト前に「解き終わったら見直しをちゃんとしなさい」と指導される方も多いと思いますが、実は小学生にとって「見直し」は難しいものです。自分がいったん正しいと思って解いているわけですから、そこをどう「見直し」ていけばよいのかわからず、問題を解いた過程を振り返っても、なかなかミスを発見することはできないのです。私は「見直し」という言葉は使わずに、「解き終わって時間が余ったら、もう一度問題文をじっくり読み直しなさい」と指導しています。そうすることによって「太郎くんの年齢を問われているのに、花子さんの年齢を答えてしまった」「『適切ではないものを答えなさい』なのに、適切なものを答えてしまった」などのミスに気がつくことができるわけです。

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