「机にむかう姿勢」
2016.02.26
お子様がご家庭で机にむかうとき、どんな姿勢でいらっしゃるでしょうか。左手でほおづえをつきながら、問題を解いているようなことはありませんか。姿勢が悪いと、集中力が欠け学習効率も悪くなるとよくいわれます。専門家ではないので医学的なことはわかりませんが、私の経験上、学習姿勢と学習内容の定着度合いには関連性があると思います。
授業中にほおづえをついたり壁によりかかったりすることは、生徒たちも「よくない姿勢」だと理解しているので、私が注意をするとすぐに直そうとします。ただ、最近、気になっている生徒の授業中の姿勢があります。それは、椅子に浅めに腰かけて、背中の高い位置(肩甲骨のあたり)を背もたれにあてているような姿勢です。そのような姿勢だとお尻や腰ではなく、背中で体重を支えることになりますので、やはり集中を欠いてしまうようです。気がついたときには注意するようにしているのですが、その姿勢に慣れてしまっているのでしょうか、またズルズルと腰が前の方に出てきてしまうことが多いようです。
また、猫背もよくない姿勢です。問題を解くのに集中してくると、顔と机との距離がだんだん近づいてくるタイプのお子様もいらっしゃいますが、できる限り高い位置から教材やノートを見た方がよいと私は思っています。もちろん視力の問題もありますが、「全体像を俯瞰する」という点からも、少し離れたところから問題を見る方がよいはずです。
早稲田アカデミーでは「私語のない緊張感のある授業」を行っています。その一環として、生徒の授業を受ける姿勢に関しても注意をしています。だからといって「常にピンと背筋を伸ばして」いるような状態を目指しているわけではありません。「緊張感のある」という状態と「緊張している」という状態は全く違います。私たちは生徒に対して「緊張している」ことを求めているわけでは決してありません。むしろ、その反対です。自然体で集中して授業に臨んでもらえるように指導しているわけです。ただ、やはりそのときの学習姿勢には、普段の学校での授業やご家庭で机にむかうときの姿勢が、自然と出てきてしまうものです。
ご家庭で机にむかっているときのお子様のご様子を観察してみていただければと思います。はじめのうちは正しい姿勢が保てていても、時間が経つにつれて段々と悪くなってしまうことはよくあります。その姿勢の変化を見ていると学習に集中できているかどうかがよくわかるはずです。小学校4年生くらいまでであれば、姿勢が崩れてきたあたりが集中力の限界と考えて、ときにはそこで学習をストップしてもよいと思います。もし机にむかった瞬間から姿勢が崩れているようであれば、その点については指摘し矯正するようにした方がよいでしょう。小学校5年生以上になってくると、集中力が欠けてきて姿勢が崩れても学習を継続しなければならないはずです。そのときには「ぐーっと伸びをしたり」「首や腕を回したり」という形で体を動かすことを生徒には勧めています。
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