四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「ケアレスミスをなくす」

2016.05.27

「きちんと見直しをしなさいと言ってテストに送り出すのですが、返ってきた答案を見るとミスが多くて...」保護者の皆様から、よくいただくご相談です。


土曜YT講座の「単元テスト」や「組分けテスト」についてのご相談だと思います。家ではできるのに、テスト本番では計算ミスや問題の読み違いなどのミスをしてしまう...。俗にいうケアレスミスでの失点が多いタイプのお子様なのでしょう。


先日もある生徒の答案を見ていたところ、問題用紙に書いた計算では「8」と正解を導いているのに、答案用紙に書かれた解答は「4」になっていました。解いた本人に聞いてみても「なぜそんな『写し間違い』をしたのかよくわからない」と言います。つまり、小学生はテストでケアレスミスをするものなのです。保護者の皆様には、ぜひこのことを知っておいていただきたいと思います。


「小学生はミスをするものだからこそ、見直しをさせるべきだ」というご意見もあるでしょう。しかし、実は「見直し」という作業も、小学生にとってはかなりレベルの高いことなのです。


まず小学生の場合、「テストの見直し」とは何をすればよいのか、やるべき作業そのものを理解できていない可能性があります。テスト監督中に「テストが終わったら見直しをしなさい!」と声をかけると、解答用紙だけをじっと見つめている生徒が多くいます。できあがった(解答欄を埋めた)解答用紙をじっと眺めていてもミスが見つけられないということは、大人であればわかるのですが、小学生の場合、どうすればミスが見つかるか自分では考え付かない生徒がほとんどなのです。


見直しの方法は、実は算数でも国語でも同じです。私は「テストが全部終わったら、もう一度問題を読み直しなさい」というところから指導しています。問われていることをもう一回じっくりと確認することで、自分が出した答えがその問いに対して正しいかどうかを考えさせることが目的です。自分では「正解」だと思った答案を見直しても、なかなかミスを見つけることはできません。たとえば国語の記述答案で明らかに文意が通らない、おかしな文を書いていたとしても、自分では正しいと思い込んでいるので、書き直すところまではいかないものです(小6の夏以降の最難関校受験生レベルでやっとできるくらいです)。


算数では、自分が出した答えが問題と照らし合わせておかしくないかどうかを考えさせることも大切です。以前担当していた小6上位クラスで速さの問題を扱ったとき、歩いているA君の速さを時速250kmと書いた生徒がいました。年齢算ではお母さんの年齢が75歳、お父さんが22歳という解答もありましたし、平均算で100点満点のテストの得点を聞かれているのに120点と答えたり、身長が240cmの小学生がいたり、図形の問題でも三角形のひとつの角度が200度を超えていたり...。それでも気がつかないで解答欄に書いてしまうのが小学生です。だからこそ、解き終わってからもう一度問題文を読み、自分が出した答えがおかしくないか、確認することが大切なのです。


もうひとつ、テストでミスをしない、ミスを見つけられるようになるという点に関しては、何よりもお子様の集中力と注意力が重要です。集中してテストの問題を解き終えたあとに、見直しをするだけの集中力が残っているかというと、低学年のうちはなかなか難しいでしょう。もちろん学年が上がって、得点をとることに執着するようになってくれば、「見直しをしなければ」という気持ちも生まれてくるはずです。特に志望校がはっきり決まって、その学校に合格するために必要な偏差値という基準が意識されるようになってくると、高得点をとるためにできる限りの努力をするようになります。しかし、受験学年になるまではまだそこまでの意識ができあがっていないでしょう。


すぐにではなくても、将来的に「ミスをなくす」ために3つのアドバイスをまとめておきます。


① 小4段階では「見直しをしなさい」というよりも、「ひとつひとつの問題を丁寧に解きなさい」という指導をしてください。

② 将来的にしっかりと見直しができるようになるためには、何よりも意識を高めることが必要です。テストを嫌いにならないレベルで、「高得点をとりたい」という気持ちをつくるようにしてください。

③ 見直しだけではなく、テストそのものの受け方を練習するのも、毎週の単元テストの大きな目的です。毎週のテストを継続して受けられるように応援してあげてください。

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