『勉強に向かう気持ちがわかないときに出てくる言葉...』
2016.06.15
「わからない」「できない」「無理」「難しすぎる」...そのような言葉はなるべく使わせないように、生徒には指導しています。もちろん、本当にわかっていないときに「わからない」というのは正しいことなのですが。
「あれ、この問題は空欄になっているけど...どうしたの?」
「わかんなかった...」
「もう一度考えてみなさい!」
「えっ? 無理。わかんないから、できないよ...」
いかがでしょうか。ご家庭でお子様の勉強をご覧になっているとき、こんな会話がなされていないでしょうか?
学習に対する「やる気」がなくなっているときに、お子様は、「できない」「わからない」「無理」という否定的な言葉を使うことがあります。
少し考えればわかる問題でも「やりたくない」ときに、そのような言葉が口をついて出てきてしまうことがあるのです。お子様としても、お父様やお母様から「やりなさい!」と言われているし、やらなければならないこともわかっているだけに、「やりたくない」とはなかなか言えないのです。その結果、上記のような言葉が出てしまうのです。
まずは、なるべくお子様と話をされる際は、上記のような否定的な言葉を使わないようにしていただくのがよいでしょう。「わからない」と口に出してしまうと、お子様自身も「自分には、この問題はわからないんだ。無理なんだ」と思い込んでしまうことがあります。そして考えることそのものをやめてしまい、その結果...。
「わからないことないでしょ。塾で習ってきたんでしょ!」
「だって、わからないもん...」
「ほら! ここに書いてあるでしょ。よく読んでみなさい!」
「無理だよ! 絶対にできない!」
そんな言い争いになって、感情的な親子喧嘩につながりかねません。「わからない」という言葉が出てきたときに、「わからないんじゃなくて、『やりたくない』んじゃないの? この問題はあなたにわからないはずないから。『わからない』っていう言葉は、そんなに簡単に使っちゃダメよ。」と諭していただくとよいと思います。
次に、お子様の集中力が下がっているときは、「考える」ことが必要な難しい問題はやらせない方がよいでしょう。学習計画をテーマとしたセミナーなどではよくお話しするのですが、計画はお子様が集中できる時間帯を見極めて立てることが大切です。お子様のタイプによってその時間帯は変わりますが、例えば、習い事などでとても疲れているときに、集中して考えなければならない問題に取り組むのは難しいでしょう。集中できない時間に無理やり学習をして、「わからない」と思ってしまった問題は、お子様の中で「できない」問題として残ってしまうことがあります。場合によっては、その蓄積が苦手意識をつくることにもつながる可能性があるのです。
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