四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏の学習効果を高めるために...』

2016.07.22

早稲田アカデミーの標準日程では、明日(7/23)から小4が、週明けの7/25からは小3の夏期講習会が始まります。私も錦糸町校で両学年を担当していますので、毎朝、生徒たちとの授業となります。普段は夕方から夜の授業で「夜型」の生活になっていますので、「朝型」の生活への切り替えをしているところです。朝から元気な小3・小4生たちと「真剣勝負」の授業に臨めるよう、体調を整えておかないと...というところです。


さて、今回は夏期講習会の学習効果を高めるために、「授業の受け方」「ノートの取り方」に関して書かせていただきます。夏期講習会は通常の授業よりも時間が長いため、授業内で扱う学習内容も当然多くなります。学んだ内容をきちんと定着させるためには、正しい「授業の受け方」を身に付けることが必要です。私も夏期講習会で担当する小3・小4クラスでは、「授業の受け方」そのもののレベルアップをひとつのテーマとして、毎年授業を行っています。


「正しい授業の受け方」といっても、難しいことではありません。その日の授業で教わったことは、その授業内で理解し、覚えて帰る。その一点です。ただ、実はそのことを意識して授業を受けている生徒は意外に少ないものです。小学生にとって、家に帰ってからもう一度テキスト・ノートを見て授業を振り返り、内容を思い出して定着させること、つまり「復習」と呼ばれる過程を完璧に行うことは難しいものです。それよりも、授業中に集中して聞いて、先生が書いた板書をノートにとることでその場で復習して身に付ける。家に帰ってからは、宿題となっている問題を解くことで、教わった内容をもう一度確認する。そんな学習スタイルの方がうまくいくはずです。


また、早稲田アカデミーの授業では、「先生が解説をしながらホワイトボードに書いているときは鉛筆を持たない」ということをルールとしています。集中して聞くことによって、まずはしっかりと学習内容を頭の中に入れるように指導しているわけです。次に「はい、書きなさい!」と指示をしてノートをとらせます。このときに、我々は生徒一人ひとりの理解度を確認できます。頻繁に顔を上げながら、一字一字丁寧に書いている生徒の場合、ノートをきれいに書くことはできていても、内容が頭に入っていないことが多くあります。逆にホワイトボードをじっと見て、一気にある程度の部分まで書き切ってしまう生徒の場合は、書くことがそのまま「復習」になるので、定着度は高くなる傾向にあります。


板書の方法にも、いくつかのノウハウがあります。たとえば非常に重要なことを教える場合、あえて全てを黒字で書いて生徒に写させ、全員が写し終わったあとで、赤や青のペンで重要なところをチェックさせていく、という方法をとることがあります。まず聞いている段階で頭の中に入れ、自分で書くことで「復習」し、さらに重要なところに色を付けることでもう一度見直す機会をつくるわけです。


ご家庭でノートを利用した復習をされる場合は、お子様のノートをお預かりいただき、書かれている内容を口頭で確認していくのがよいでしょう。たとえば、次のように書かれているノートがあったとします。

『1とその数以外に約数を持たない数 → 素数』

『同じ数字を2回かけた数(平方数)は、約数の個数が奇数』


この場合、保護者の方は口頭で「1とその数以外に約数を持たない数をなんていうんだっけ?」「約数の個数が奇数になるのはどんな数?」と聞いてあげればよいわけです。


「正しい授業の受け方」「教わる力を身に付ける」というテーマに関しては、『サクセス12』(早稲田アカデミーが提携している中学受験情報誌)の7・8月号の「福田貴一先生の福が来るアドバイス」にも書かせていただいておりますので、併せてお読みいただければと思います。

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