「夏にがんばった分だけ...」
2016.08.26
週明けに台風が日本に上陸する可能性があるというニュースを見ました。天候が不順なこの季節は、体調を崩しやすいのでお気をつけいただき、「勉強の秋」のスタートをスムーズに切ってください。
明日、小学校3年生を対象とした「小3サマーチャレンジテスト」が行われます。また、小学校4年生以上の学年では、来週末に四谷大塚の「公開組分けテスト」が実施されます。どちらも「夏の成果」を試すテストとして位置づけられていますので、お子様はそこに向けて気合いが入っているでしょうし、保護者の皆様も結果が気になるところではないかと思います。「夏にがんばった分だけ、きっと成績も上がってくるだろう...」そんな風に期待されている皆様も多いことでしょう。早稲田アカデミーの夏期講習会でがんばってくれたお子様方は、もちろん学力は確実に伸びているはずです。しかし、その結果が今回のテストで数字として表れるかどうかは、お子様のタイプによっても違いますし、当日のテストの内容によっても変わってくるものです。また、偏差値は相対評価(他者との比較によってつけられる評価)となります。そのため受験者が皆、同じように夏にがんばったお子様だと考えると、大きな変化はないのが一般的です。偏差値が大きく変わっていなければ、学力は着実についてきているとお考えいただいてもよいでしょう。夏休みに一生懸命がんばっているお子様の姿をご覧になられていた保護者の皆様は、結果が数字としてすぐに出てこないと不安になったり、努力をしていたお子様がかわいそうに思えたりするかもしれません。しかし、がんばった成果は必ずお子様の中に蓄積されているのです。
一方で、保護者の皆様が「結果の数字だけで判断・評価する」のはよいことではないとご理解いただいていたとしても、お子様はやはり結果が気になるものです。結果が思うように出なかった場合、ともすれば「夏にあんなにがんばっていたのに...」と学習に対するモチベーションが下がってしまうことにもなりかねません。そういったときには、数字だけではなく答案をしっかりご覧いただき、一学期よりもできるようになっている点を評価してあげていただければと思います。「一学期にはミスが目立った国語の知識問題の正答率が上がった」「一学期よりも空欄が少なくなっていた」...きっとそんなところが見つかるでしょう。
それぞれのお子様にとって、この夏の克服課題は異なっていたはずですから、一学期と比較して「成長した部分」も当然違ってくるはずです。「算数の計算ミスをなくす」というような直接的に得点や結果に影響を及ぼす課題を中心に学習してきたお子様であれば、比較的早く結果も出るため、夏の終わりのテストでも成長がみられるでしょうが、「国語の文章を精読する」というような課題を設定していた場合、なかなかすぐには数字としての結果につながらないこともあるはずです。
先日の記事でも書かせていただいたのですが、もっとも大切なことは「お子様自身が夏にがんばった」という気持ちを抱くことです。テストで好成績がとれれば、それはそれでよいことではあるのですが、万が一そうでなかったとしても、お子様自身が自分で「夏の成長」を感じられるように、ご家庭でも接していただければと思います。
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