四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『コーチとしてサポートする』

2016.10.26

電車の中吊り広告の中に「スキーツアー」に関するものを見掛けました。テレビでも風邪薬のCMが頻繁に流れています。コンビニエンスストアのレジの脇には「クリスマスケーキ」や「おせち料理」のパンフレットが並び、その横で「おでん」が湯気を立てています。今年ももうそんな季節になったのですね。早稲田アカデミーでも「冬期講習会」「正月特訓」のお申し込みが始まっています。年が明ければ、もう新学年です。


学年の切り替わりのタイミングでよくご相談をいただくのが、「塾の学習における保護者の接し方」についてです。「塾の宿題にどれくらい手を出せばよいのだろうか」「わからないと頭を抱えているときに、教えていいのだろうか」というようなご相談もありますし、「そろそろ親の手には負えなくなってきているのだけれど...(学習内容、お子様の態度ともに)」というご不安を耳にすることもよくあります。


早稲田アカデミーの塾生の場合、通塾にある程度慣れてきたところでは、「質問などは塾の先生に聞いてください。保護者の皆様はあくまでペースメーカーでかまいません」とお答えしているのですが、それはある意味、一般論になります。また、お通いの塾によっては「家庭学習そのものは保護者の方が見てください」というタイプのところもあります。


中学受験において「保護者はコーチ」といわれることがあります。先日の「クローバーセミナー」でも「中学受験におけるコーチとしての保護者の役割」というお話をさせていただきました。この場合のコーチは、「指導者」というよりも、「一番の理解者」という意味で使わせていただいています。大切なのは、塾での学習に対して、その内容を理解して指導していただくというものではなく、お子様がどのような状態にあるのかを理解して、その状態に合わせて接し方を変えていただくということです。


ここでご家庭での学習指導に関して触れさせていただきます。塾に通い始めたばかりであれば、授業のペースに慣れていないため、学習内容が定着しきれずに帰宅されるケースもあるはずです。その場合は、テキストやノートを見ながら一緒に授業内容を復習することも、ときには必要になるでしょう。ただ、いつまでもそれでは困ります。「帰ってからお母さんが一緒にもう一度教えてくれるから...」となってしまえば、授業中に集中して聞こうとしなくなってしまうものです。精神的にも依存心が生まれてしまい、自ら学ぼうとする気持ちが薄れてしまうことにもつながってしまう可能性があります。


我々講師も授業内でのお子様の状況を把握し、家庭学習に関するアドバイスをさせていただくことも多いのですが、やはり毎日接していらっしゃる保護者の皆様と比較をすると、わからない部分も多くあります。そういう点では、「コーチ」である保護者の皆様からのお話が我々の指導には必要になってくるのです。


「クローバーセミナー」では「コーチとしての役割」について、お子様の状態を二つの視点で見ていただくようにお話しいたしました。「精神面・身体面の状況把握」と「成績面の状況把握」の2点です。精神面と身体面の状況把握に関しては、この場でお伝えしなくても日常的にご覧になっていらっしゃると思いますので、成績状況に関して簡単に書かせていただきます。ポイントになるのは、テストの得点や偏差値ではなく、「どんな問題ができていて、どんな問題ができていないのか」を把握するということです。そのために必要になるのが、成績帳票と一緒に載っている「設問ごとの正答率」になります。正答率とお子様の解答を比較して見ることによって、テストを受験しているときのお子様の状況などを推測することもできるようになります。小3・小4段階からテスト結果の見方(正答率分析の仕方)を心掛けておいていただくと、小5・小6になって「壁」にぶつかったとき、それを乗り越えるために役に立つはずです。

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