「『ほめる』と『しかる』①」
2016.11.09
やはり、お子様は「ほめて伸ばす」のが基本だと考えています。もちろん、時には「しかる・注意すること」も必要です。ただ、しかられればお子様の気持ちは沈みます。場合によっては前向きな気持ちが失われてしまうこともあるでしょう。大人になれば、ある程度精神的なタフさも培われ、しかられたときに「なにくそ!」と思えるかもしれませんが、小学生にとっては難しいことなのです。まして、それがお父様やお母様からだとすると...。
効果的な勉強をするためには、お子様自身の「やる気」が必要です。そしてその「やる気」を引きだすために、「ほめる」ことはとても効果的です。ところが、その「ほめる」というのが、なかなか難しいのです。そこで今回と次回の記事では「効果的にほめる・しかる」といったテーマでお話しさせていただきます。
具体的な行動や結果を「ほめる」ことも大切ですが、その前に、お子様の存在そのものを「ほめて」あげることを私はお勧めしています。「ほめる」というよりも「肯定する」という方が正しい表現かもしれません。
勉強に前向きに取り組めないお子様の場合、「自分はなにをやってもうまくいかないから」「どうせ自分はダメだから」と自分自身を否定する感情を持っていることがあります。自分への自信のなさであったり、自己肯定感の欠如であったり、理由はどうであれ、そのような感情を持ってしまったお子様はかわいそうです。まずは「やればできる」と思うところからスタートしなければなりません。そのためには、お父様・お母様がお子様のことを認め・肯定してあげることが必要なのです。「大丈夫!あなたはやればできるから!」、そんな表現で「ほめて」あげてください。
もちろん、お子様自身を全否定してしまうような言葉は絶対に避けるべきです。以前、あるお母様がお子様に投げかけた「やっぱり、あなたはダメね」という言葉に対して、意見をさせていただきました。お母様にとっては軽い気持ちでかけた言葉かもしれませんが、それを聞いたお子様はとても悲しそうな表情になっていたからです。
「あなたはダメ」という言葉を聞くと、自分のすべてが否定されたように感じるはずです。さらにそこに「やっぱり」という言葉がつくと、「前から思ってはいたけれど、やっぱり...」と聞こえてしまうのです。もし、それが親からではなく、塾の先生からであれば、他の先生に相談したり、塾そのものを変えたりすることもできます。学校の先生からであったとしても、抗議をすることも、場合によっては転校という手段もあるわけです。しかし、それが親からだと、お子様は悲しい顔で下を向くしかできないのです。(次回に続きます)
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