『割合』
2016.12.02
今週の小学校4年生の算数の授業内容は、「割合」です。明日行われる『土曜YT講座』で出題されるのもこの単元です。「割合」は「比」の学習につながっていき、中学受験において最も大切な考え方の一つです。初めて学習するこのタイミングで、しっかりと身に付けておくようにしてください。
「水が氷になるとき体積は11分の1増えることになります。では逆に、氷が溶けて水になるときは、体積は何分のいくつ減るでしょう」いかがでしょうか。保護者の皆様はパッと答えることができるでしょうか。実は割合の古典的な問題なのです。「11分の1増えるなら、減るのも11分の1でしょ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん答えは違います。
割合の導入では、「もとになる量」と「くらべる量」という二つの要素が出てきます。実はこれらの考え方は学年が上がるにつれて、「なんとなく」理解できるようにもなってくるのですが、最初の段階でしっかりと身に付けておかないと思わぬところで間違えてしまったり、算数そのものが苦手になってしまったりすることもあります。
「生徒数が400人の学校があります。そのうち女子生徒は240人です。女子生徒の割合を求めなさい」という問題であれば、「もとの量」は全校生徒の400人、「くらべる量」は240人、とわかりやすいはずです。計算としては「240÷400」となりますので、答えは「5分の3」と出てきます(紙面上では分数の表記が難しいので、ご容赦ください...)。
水と氷の問題にもどりましょう。わかりやすいように11Lの水があったことにします。水から氷になるときは、水が「もとの量」となりますので、その11分の1にあたる1Lが増えることになります。つまり氷は12Lになるわけです。もちろん氷から水になるときも同じ量である1Lが減ることになるのですが、ここで問題になるのは、「もとの量」です。氷から水に変化する場合は、「もとの量」は氷となります。氷の体積は12Lですから、減る量が1Lだとすると、その割合は12分の1となるわけです。これが正解となります。
「ある学校の今年の生徒数は200名です。これは昨年よりも3分の1増えた数字です。昨年の生徒数は何人ですか」という問題も、「もとの量」と「くらべる量」を間違えてしまいやすい問題です。理解が不十分だと、今年の生徒数である200名を「もとの量」として考えてしまう場合があるでしょう。明日の『土曜YT講座』や12月の『公開組分けテスト』でも出題される可能性がある問題ですので、もしよろしければお子様と考えてみてください。正解は「150名」です。
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