「習い事と受験学習を両立させる」
2016.12.07
今回も、11月に実施した『クローバーセミナー』のアンケートに書かれていたご質問にお答えします。実は、複数の方が「習い事」に関するご質問を書かれていました。ちょうど新年度(新学年)からの学習や生活のリズムをお考えになる時期だからでしょうか...。
『塾と習い事の両立は難しいですか?「全ての習い事をやめた方がよい」とお子さんの中学受験を経験された友人からアドバイスを受けたことがあるので...。(小4保護者様)』
私は中学入試のために「全ての習い事をやめる」のはお勧めしていません。小学生ですから、入試のための学習だけではなく、いろいろなことにも取り組んでもらいたいと考えているからです。その経験は中学入試にも、中学校に進学してからも、そしてその先の未来にも、きっと良い影響を与えるはずです。
ただ、中学入試へ向けた学習には、明確なゴールがあります。小学校6年生の1月から2月には必ず入試がやってきます。そして、そのゴールでは合格・不合格という結果もはっきり出ます。その点を考えると、どこかのタイミングでは、ほかの習い事よりも「優先順位」を上げることが必要になってきます。
「では、習い事を整理するタイミングは...」という点に関しては、一律で「いつ」とお答えすることはできません。お子様の状況や、習い事によってもその時期は変わってくるからです。ただ、習い事を整理するときに、まず考えなければならないのは、お子様の気持ちだと思います。がんばっている習い事をお子様の気持ちを無視してやめさせてしまうと、学習に対する意欲が低下してしまうこともあります。また、習い事で身に付けた気力や体力、集中力は、中学入試にも役に立つことが多くありますので、その点からも早くやめれば、それだけ入試に向けて有利になるということではありません。一般的には小学校3~4年生の間は、塾での学習とそのほかの習い事はできる限り両立させておく方がよいと思っています。小学校4年生になると土曜日の午後に『土曜YT講座(毎週の単元テスト)』が入ってきますが、午前中の試合のユニフォーム姿のままで飛び込んでくる生徒もいます。
単純に受験カリキュラムの進行状況だけから考えると、小学校5年生の二学期からは、かなり本格的な学習内容に入ってきますし、家庭での学習時間も増えてきますので、その時点では勉強に集中できる状態であることが望ましいと考えています。そこまでに全ての習い事をやめてしまう必要はありませんが、ある程度は整理ができているとよいのではないでしょうか。
私は、最終的に小学6年生の夏休み前には、完全に勉強に集中できるように、習い事を整理しておくことをお勧めしています。小学6年生の夏休みは、それまでに学習した内容全てを復習していく非常に重要な期間になります。少しでも時間に余裕があった方がいいというのももちろんですが、ここから半年間は目標校合格のために本気で取り組んでいくという気持ちをつくるためにも、他のことは考えずに勉強に注力をしてもらいたいと考えています。
お子様の持っている力を100%引き出して、受験に向かっていただくためには、ある程度の時期には習い事を整理する必要があると思います。しかし、今回書かせていただいたように、お子様の気持ちや学習状況、気持ちの切り替えの早さや体力など、それぞれに考えることは沢山あると思いますので、まずはご家庭でお話し合いいただき、そして塾の担当講師にご相談されるのがよいでしょう。
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