『子どもの可能性』
2017.02.03
今年度の中学入試も〈終盤戦〉となっています。早稲田アカデミーにお通いいただいた皆様が、進学先を決めて笑顔で次のステージに進まれるように、私も最後まで応援してまいります。
早稲田アカデミーの入試結果に関しては、このホームページ内で随時公開させていただいておりますので、ぜひご覧になってください。今年度の受験生たちも本当によくがんばり、とても素晴らしい合格実績となっています。早稲田アカデミーをご信頼くださり、ご期待くださっている保護者の皆様にも胸を張ってご報告できる結果になると確信しております。まだ集計中の部分もあり、最終的な結果のご報告までもう少しお時間をいただくことになりますが、ご期待のうえお待ちください。また今年度の入試状況などに関しては、「中学入試報告会」などでお伝えさせていただきますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
毎年、この時期に早稲田アカデミーを巣立っていく生徒たちを見ていると、その将来がとても楽しみに思えてきます。大きな「可能性」を抱いて、中学校という次のステージへと向かう子どもたち。その可能性を大きく広げ、羽ばたいてくれるよう願ってやみません。
「子どもの可能性を伸ばす」という言葉を耳にすることがありますが、もともと「子どもの可能性」は無限に広がっているはずです。生まれたばかりの子どもは、医師、弁護士、宇宙飛行士、スポーツ選手や芸術家...、将来何にだってなれる可能性があるわけです。しかしその中のいくつかは、成長するにつれて消えてしまったり薄くなってしまったりすることがあります。
私は、周囲の大人が子どもの可能性の芽を摘んでしまうことがないようにするべきだと考えています。お子様の適性を見極め、その長所を伸ばし、進むべき道をある程度決めて導いてあげることも、親や周囲の大人の大切な役割だと思います。しかし、まずはすべての可能性を考えて、なるべくその可能性の幅が狭まらないように成長を後押ししてあげることが大切だと、私は考えています。適性だけではなく、お子様自身がやりたいことが見つかったときに、それを目指すことができるように環境を整えてあげることが大事だと思うのです。いろいろなところでいわれていますが、これからの日本や世界で求められる力、役割は、ここからの10年20年で大きく変わるはずです。その点を考えても、お子様の可能性を狭めないように育てることが必要です。
以前、担当していた生徒(女子)の話です。国語がとても得意だったのですが、お母様はよく『両親ともに理系なのに、算数が苦手だなんて...』とおっしゃっていました。結局、入試まで国語は得意、算数は苦手という図式は変わらなかったのですが、がんばって第一志望校に合格してくれました。それからの中高6年間、彼女がどのような生活をし、どのように学んでいったのか、詳しいことはうかがっていません。ただ、結果として大学は医学部を選び、見事現役で合格。そのころにはすでに遠方の校舎に異動になっていた私のところまで、わざわざ報告に来てくれました。高校に入ってからは数学・理科の成績が伸び、また、国語(現代文)も変わることなく好きで、受験勉強の気晴らしは読書だったそうです。
彼女が、中学受験のときに苦手な算数を「嫌い」にならなくて良かった、と心から思います。もし「算数は苦手だから嫌い」と思い込んでしまっていれば、きっと医学部には進んでいなかったでしょう。
私が小学生の授業で一番心がけているのは、単に知識や解き方を覚えこませることではなく、しっかりと理解させ、さらにそこから"考えさせる"ということです。頭の使い方や考え方の土台ができあがる小学生の間にしっかりとしたトレーニングを行うことが、お子様が将来どんな道に進むにしても必ず役立つことであり、将来の可能性を狭めないためにも重要だと考えています。
精神的にも肉体的にも、子どもが一番成長するのは中学校・高校の6年間です。一番成長する時期にお子様にあった環境をしっかりと選び、与えることこそ、「子どもの可能性を奪わない」ことにつながるのではないでしょうか。それが中学受験を選択する最大の目的だと私は思うのです。
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