四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

「もっと『集中』しなさい!①」

2017.02.22

先日、「春一番」が吹いたとニュースでやっていました。気温的にはまだまだ寒い日も多いですが、日差しの中に春の気配を感じるようになりました。塾で新学年を迎えた生徒たちも、新しい気持ちと明るい笑顔で授業に参加しています。


校舎で一週間の学習スケジュールを固めるため個別面談を進めているのですが、その中でよく「集中力が続かなくて...」というご相談をいただきます。今回は「小学生の集中力」について触れさせていただきます。


もちろん学習効果を高めるために、また成績を向上させるために「集中力」は必要です。集中力が切れてしまうと、知識を効率よく覚えることができませんし、問題を最後まで解き切ることもできないでしょう。テストなどでは、実力を大きく下回る成績になってしまうケースもあるかもしれません。


国語の文章読解では、集中力による差がよりはっきりと出てきます。国語の文章読解は、文章を読んで、全体の内容や構成を理解し、それを頭の中に入れた状態で問題を解いていきます。算数の文章問題であれば、せいぜい5分ほど考えればよいのですが、国語の場合には少なくとも10分以上の時間をその文章に割かなければなりません。その間、ずっと頭の中にその文章を置いておかなければならないわけです。いったん集中力が途切れてしまうと、そこで頭の中に入っていた文章内容はどこかに消えていってしまいます。そうすると、その先の問題を解くことはできなくなってしまいます。テストの場合であれば、選択肢を適当に選んだり、マス目を適当に埋めてみたり...。結果、それをご覧になった保護者の皆様は「文章が全然理解できていない」と思ってしまうわけです。そして読解力がない、理解力がない、国語は苦手、といった評価につながり、それを聞いたお子様自身も「自分は国語が苦手なんだ」と思い込んでしまうことになります。そうすると後は悪循環です。問題を解いていても苦手意識が先に立って、自信のないまま選択肢で悩んだり迷ったり、記述問題でも空欄を残してしまったり、というような状態に陥ってしまいます。


では「集中力がない」のは本当に悪いことなのでしょうか。実は、それは「よい」とか「悪い」とかの問題ではないのです。


ドラマや漫画などでは、集中しなければならないときに他の考えが頭の中をよぎったり、眠気が襲ってきたりすると、それを振り払うように頭をブンブンと振るシーンを見かけることがあります。あんな動作を小学生がやるようなイメージをお持ちの方は少ないでしょう。自分がいま集中力を欠いているという認識を持てる大人(高校生以上くらいでしょうか)が、それを自覚して「これではいけない集中しなければ!」と思って行う動作ですから、小学生がやっていたらある意味滑稽です。


そもそも小学校低学年から中学年ころは、「集中する」ということそのものがよくわかっていません。いろいろなことが気になってしまったり、すぐに飽きてしまったりするのは、子どもとしてはある意味当然のことなのです。まずは、集中するということを理解し、身に付けるようにすることからがスタートだとお考えください。


お子様が学習に集中できていないなあ、と感じられたときに皆様はどうなさいますか。多くの方が「もっと集中しなさい!」と声を掛けるのではないでしょうか。しかし、実はその言葉の効果はあまり高くはありません。自分はいま集中できていないんだ、ということを認識することにはつながるかもしれませんが、そこからどのようにすれば集中できるかは、お子様自身では、まだまだ解決できないはずです。では、どのようにすればよいのか...。


少し長くなってしまっていますので、続きは次回、とさせていただきます。

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