「『集中力がない』のは悪いこと?②」
2017.02.24
前回の記事で、学習に必要な「集中力」について書かせていただきました。今回はその続きとなりますので、前回記事の最後の部分を以下に載せておきます。
お子様が学習に集中できていないなあ、と感じられたときに皆さまはどうなさいますか。多くの方が「もっと集中しなさい!」と声を掛けるのではないでしょうか。しかし、実はその言葉の効果はあまり高くありません。自分はいま集中できていないんだ、という認識を持つことにはつながるかもしれませんが、そこからどのようにすれば集中できるかは、お子様自身では、まだまだ解決できないはずです。では、どのようにすればよいか...。
ここからが続きとなります。
小学校の低学年から中学年(小3・小4)の間は、集中できていないときには、学習を継続しないことの方がよい場合が多いと考えています。集中できていないのに無理やり学習を続けさせてしまうと、ダラダラとした学習になってしまいます。時間ばかりかかってしまい、その間頭はほとんど回転していない...そんな状態が続きます。一番怖いのは、そんな状態を「勉強している」と思い込んでしまうことなのです。
保護者の皆さまからよくご相談いただくこととして、「時間をかけて勉強はしているのだけれど、成果につながらない」というものがあります。お子様のご様子を詳しくうかがうと、上記のようなダラダラ学習を継続してしまっていることが多くあります。お子様が「集中していないな」と感じられたときは、いったん学習を打ち切ってしまうのもひとつの方法です。
そして、ここからが大切なのですが、集中できていない要因を探るようにしてください。お腹が減っている、体が疲れている、見たいテレビをやっている、などの外的な要因もあるでしょうし、悩み事や不安などの内的要因の可能性もあるでしょう。お子様がどんなときに学習に集中できないのかをしっかりと把握をすることは、家庭学習の成果を高めるためにとても大切な保護者の方の役割とお考えください。
さて「集中力がない」というお子様は、「頭の回転が速い」タイプが多いようです。「回転が速い」と聞くとなにかよいイメージにもなりますが、決してほめているのではなく、単にそういうタイプだとお考えいただければと思います。頭の回転が速いために、次々といろいろなことが気になり始め、ひとつのことに集中できなくなってしまうことが多いのです。一方で、このタイプのお子様の場合、いったん集中すると一気に片付けてしまうことも多いはずですから、短時間での学習をお勧めします。逆に長時間の学習や暗記などの地道な作業は苦手なことが多いので、(もちろん将来的にはそれも必要なのですが)小3・小4の段階では得意な部分を優先的に学習させるようにしておくとよいでしょう。
「集中力」をいきなり向上させる特効薬などはありません。お子様のタイプを理解して、集中できる環境を整え、事前に時間を決めてしっかり学習させることが大切です。短い時間でも集中できたという経験と精神的な成長がともなって、すこしずつ「集中力」が身に付いていくのです。
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