『家庭学習課題の時間管理を』
2017.03.10
塾で新しい学年になって約一か月半が経ちました。お子様の家庭学習の状況はいかがでしょうか。学年が上がれば家庭学習の内容も量も変わりますので、まだまだ一週間のペースがつかめていない方も多いのではないでしょうか。
毎年この時期になると、「宿題がなかなか終わらなくて...」「宿題をやっていると寝る時間が遅くなって...」というご相談をいただくことが増えてきます。そのとき私は、「宿題はすべてやりなさいというのはやめましょう」とお伝えすることが多いです。小学校で出される課題のように、その年齢の生徒であれば概ね「できる」レベルの学習であれば、「すべてやり切る」まで取り組むことが必要になります。しかし、進学塾で出される宿題は「質・量」ともに、学校の宿題と比べてハードなものです。その時点では、考えても解き切れない問題が出されることもあるはずです。そういった問題を前に長時間机の前に向かっていても、集中力が切れてしまいますし、頭も回転していないダラダラとした状態が続くだけになってしまいます。そういった状態に陥らないために、私はそれぞれの課題に「制限時間」を設けて取り組むことをお勧めしています。
当たり前のことですが、中学入試の学習における最終的なゴールは、入学試験という「テスト」です。「テスト」は問題に対して正解することだけではなく、時間内でできる問題をやり切るということがとても大切です。そのために、「より効率的な方法を選択する」という視点もときには必要になってきます。
また上位学年になれば、必然的に家庭学習の量も増えてきます。小5以上になると、一週間の中で、宿題をやりきるのが大変になってくる場合もあります。そこで重要になってくるのが、「時間あたりの学習密度」です。
次のような話を生徒にすることがあります。 「昨日、A君は1時間勉強しました。B君はその倍の2時間勉強しました。どちらがエライでしょう?」 生徒たちは口をそろえて、「B君!」と答えてくれます。そこで、次の質問です。 「では、1時間勉強したA君と2時間勉強したB君、終わった量が一緒だったら、どうかな?」 生徒たちは首を傾げはじめます。
もうおわかりいただけたでしょう。同じ量の学習を行い、その成果が一緒ならば、短時間で行えた方がよいのです。時間は有限ですから、与えられた時間の中でどれだけの学習量をこなすことができるかは、特に受験学年になると、非常に重要なポイントになってくるのです。この「時間あたりの学習量」を増やすために、低学年の間に短い時間で効率のよい学習を経験させることが必要なのです。
まずは、小3であれば「ウィークリーコンパス」、小4であれば「日々の算数」などで、かかった時間を記録するところから始めていただくのがよいと考えます。「日々の算数」などであれば、ページの右上に「○○:○○~○○:○○」というように、始めた時間、終わった時間を書くのがよいでしょう。所要時間がある程度定まってきたら、次には制限時間を設けるようにしていってください。
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