四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『そのテストは、ボクの中の何かを変えた。』

2017.06.02

「そのテストは、ボクの中の何かを変えた。」

四谷大塚の「全国統一小学生テスト」のテレビCMで流れていたキャッチフレーズです。毎年、早稲田アカデミーでも実施している「全国統一小学生テスト」ですが、私は生徒たちに「勉強の全国大会だよ」と話をしています。スポーツや習い事で考えれば、「全国大会に出場する」というのはかなりハードルが高いことです。生徒たちも「全国大会」という言葉の響きに、さまざまな思いを抱くようです。これだけの規模のテストであれば、受験するだけでも、確かに「ボクの中の何かを変えた」というような気持ちをつくり上げることができると思うのです。


明後日、いよいよ「全国統一小学生テスト」の本番を迎えます。早稲田アカデミー各校舎においても、多くの塾生に加え、普段は早稲田アカデミーにお通いでない一般生の皆様にも多数お申込みをいただいており、当日の準備を進めているところです。


天気予報では、当日の関東地方の天候は「晴れときどき曇り」となっているようです。過去には非常に暑い「夏日」の中で実施されたり、大雨で会場に向かうのに苦労をしたり、というような年もありました。今年はそういった天候面での不安はなさそうですので、心身ともに万全の状態でテストに臨めるよう、ご家庭でも励ましてあげてください。


さて、「全国統一小学生テスト」は、普通の小学校で行われているテストとは異なり、満点を取るのは難しいものになっています。単なる「知識」や「処理力(正確性・スピード)」などが試されるだけではなく、「思考力・発想力・応用力」といった力が試される問題も多く出題されているので、難度が高くなっているのです。例年、「習っていない問題が出た」と言うお子様もいらっしゃいます。「習っていない」というよりも、「いままで経験したことがない」というのが正しいのですが、「見たことがない⇒知らない⇒習っていない」という表現になってしまうようです。算数を例に挙げると、計算方法などは、原則として各学年の学習指導要領で習っている範囲から出題されています。その点からいえば「習っている」はずの問題なのです。しかし、「初めて見る問題をその場で考えて解く」という経験をしたことがないお子様にとっては、苦戦する可能性もあるはずです。


そんな「見たことがない問題」が出題されますので、お子様には事前に「難しいと思った問題は後回しにして、できるものから解きなさい」というアドバイスをしておいていただくのがよいでしょう。全体として、小学生にとっては問題量も多く感じられるはずです。時間内に「いまの力」を100%発揮するためにも、途中でつまずいてしまってできるはずの問題に手がつかない、という事態が起こらないようにしてあげることが必要です。


また算数では、問題文が学校の教科書と比較すると「長く」なっています。特に小3・小4のお子様にとっては、「問題文を読んで理解する」というところでつまずいてしまうこともあるようです。「問題をしっかり読んで、図を書いて整理してみよう」というようなアドバイスも効果的です。たとえば「1から9までの数字を書いたカードが1枚ずつあります」という問題では、実際にカード(四角)を9個書いてみるわけです。


実は、このような「見たことや経験したことがない問題」に対して、投げ出さずにしっかりと考えられるようになることは、お子様の将来にとって非常に大切なことなのです。ニュースなどで話題になっている「高大接続改革」では、キーワードとして「思考力」という言葉が使われますが、それに通ずる力ということもできるでしょう。


「本に書いてあることや誰かに習ったことを理解し、身に付けて、一人でできるようになる」ということは学習の基本でもあり、大切なことであるのは間違いありません。しかしそれだけでは、それ以上のことができるようにはなりません。より多様化し、専門性が高くなっている現代社会、そしてこれからの世界において、大学での学びや研究、さらにその後社会人として生活していく中で、直面する問題を自ら解決し、新たなる一歩を踏み出すことが必ず必要となります。「習っていないからできない」と思考を止めてしまうのではなく、「教わったことはないけれど、今まで知っていることを総動員し、さらに自分で考えて、自分なりの答えを出す」という姿勢を、小学生の間に身に付けていただければと思います。今回の「全国統一小学生テスト」をご受験いただくことが、その第一歩となることを願っております。

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